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菅公学生服 増収も2期連続最終赤字

2024年10月18日 (金曜日)

 菅公学生服の2024年7月期連結決算は、売上高414億円(前期比1・1%増)、営業損失9億8千万円(前期は営業利益1億6700万円)、経常損失13億2800万円(前期は経常利益800万円)、純損失15億円(前期は純損失2億700万円)となった。9期連続増収も、モノ作りにおけるさまざまなコストアップが響き、2期連続の最終赤字となった。

 性的少数者(LGBTQ)への配慮から、中学校を中心に性差を感じさせないブレザー制服へのモデルチェンジ(MC)が進む中、MC校からの受注を順調に獲得した。地域密着のエリアごとの営業強化に加え、環境配慮に向けた取り組み、グループ会社のカンコーマナボネクト(岡山市)で取り組む非認知能力の育成やキャリア教育などで、学校との密接な関係づくりにつながった。

 一方、原材料価格など、さまざまなコスト上昇の影響を受け、営業損失、経常損失、純損失を計上することとなった。

 制服部門の売上高は270億円(前期比1・0%増)、体育着部門の売上高は121億円(1・0%増)、企業ユニフォーム部門の売上高は21億3300万円(3・0%増)だった。

 今期(25年7月期)は、営業から生産、物流までの情報一元化を進めるほか、生産力の再構築による安定した納品体制整備などの業務改革を推進。売上高430億円、経常利益1億円を計画する。

ベネッセサポート校と提携

 菅公学生服が運営する、“セレクト制服”を取り扱うカンコーショップ原宿セレクトスクエア(東京都渋谷区)はこのほど、ベネッセコーポレーション(岡山市)が来年4月に開校する同社初の通信制サポート校「ベネッセの通信制サポート校 Be(ビー)高等学院」と提携し、同校の制服購入推奨店に指定された。

 同校の“自分らしい学び”を提供する思いに共感し、提携に至った。同校では生徒が通学かオンラインかを選べる。通学の際の学校指定制服は無いが、オンオフの切り替えや、制服を着用したいというニーズに応えるため、推奨店として指定された。

 カンコーショップ原宿セレクトスクエアのアイテムで、同校のスクールカラーである、赤みがかった黄色の「黄水仙」色を基調とした制服のコーディネート例も共同で考えた。今後は制服の着こなしや組み合わせ方、自分らしいスタイリングが学べる座談会の開催を予定する。