繊維ニュース

東レ・学販 追い風捉える

2024年10月21日 (月曜日)

 東レの学販向けは、制服モデルチェンジ(MC)のブレザー化でポリエステル高混率化の追い風を捉える。

「ポリエステルを混ぜることで機能を生かしやすくなる」として、ストレッチや暑熱対策、環境配慮への対応などの素材を充実。スポーツや婦人服向けといった他分野で開発した素材も含め、幅広いラインアップで市場を深耕する。

 来入学商戦に向けてはブレザー化によって詰め襟服、セーラー服の定番商品への生地供給の減少に加え、少子化で小学生服向けも減少。学生服メーカーへの値上げも要請しており、在庫調整の中で「厳しい環境になっている」。

 ただ、定番商品を補う形でシャツ向けのトリコット地などが堅調。ブレザー向けに梳毛調ポリエステル織物「マニフィーレ」の採用が増えており、「ポリエステル高混率化がかなり受け入れられる」環境になってきた。

 柄物もウール混だけでなくポリエステル100%の先染め織物の提案が増加。インクジェット捺染による柄物生地は、まだ採用に至っていないが、「物性のエビデンスへの担保をクリアできれば大きく広がる」。試験を進めながら、供給のリードタイム短縮や、先染めには出せない柄の表現など、メリットを訴求しながら採用につなげる。

 下半期以降は、2026年の入学商戦での採用に向けて動く。強みとするバイオ原料ポリエステル「エコディア」、ペットボトル再生繊維「&+」(アンドプラス)といった環境配慮型素材に加え、他の分野で使われいた素材の訴求を強化。ワーキング向けに売れ筋のストレッチ素材「ライトフィックス」では緯糸に同糸を使ったウール混素材など、ブレザー向けにも広げる。婦人服やスポーツ衣料用途で展開する生地を学販へ広げながら、販路拡大に対し「テキスタイル部門の連携で力を出していく」。

 特に気温が高く、猛暑日も増える傾向からハーフパンツといったアイテムの採用が増えていることを受け、盛夏向けの素材提案にも注力。独自技術で生地に通気孔を発現させたポリエステル織物「ドットエア」では、学販向けに提案できるように強度を高めるといった素材開発にも取り組む。