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「TITAS」/地場ブランド新規開拓目的に/日系糸・生地企業5社出展

2024年10月22日 (火曜日)

 【台北=岩下祐一】15~17日に台湾・台北で開かれた素材・機械見本市「第28回台北紡織展」(TITAS)には、日系生地商社2社と北陸の素材メーカー3社が出展した。地場ブランドの新規顧客の開拓を目的にするところが多かったが、一部を除き商談件数は伸び悩んだ。

 宇仁繊維は、2017年から同展に出展。今回展では、主力のジャカードや無地のファッション向け織物をアピールした。台湾での販売は、地場ブランドへの直販と地場生地商社向けを2本柱とする。新型コロナウイルス禍後に落ち込んでいる生地商社向けの挽回と、新規顧客の開拓を図った。

 フジサキテキスタイルは、自社の丸編み地と、植山織物の先染め織物の備蓄品を出展し、小ロット・短納期のサービスをアピールした。海外市場の開拓に今後注力する方針で、その第1弾として今回展に初出展した。地場大手ブランド複数社と商談し、「日本以上にオーガニックやリサイクルへの意識が高いことが分かった」(石井完治・第一事業部課長)。

 北陸の素材メーカー3社は、福井県と石川県が共同開催する展示会「北陸ヤーンフェア」と同展の交流促進の一環で、初出展した。

 産元商社の前多は、スポーツ・アウトドア向けのシワ加工と撥水(はっすい)加工を施したナイロン100%織物などを打ち出した。原糸から加工までトータルで差別化した織物を展開していることを訴求した。

 糸商社のシモムラは、備蓄販売する先染め糸や、カバーリング糸をアピールした。先染め糸が引き合いを受けたほか、最終製品での納品の可否の問い合わせもあった。

 福井経編興業は、トリコットのファッション素材の幅広いラインアップを訴求した。レディースのワンピース向け綿調素材や、メンズスーツのセットアップ向け起毛素材、ナイロン66素材のパンツ向けハイテンション生地などが注目を集めた。