クラボウ 高通気×機能で暑さ乗り切る
2024年10月23日 (水曜日)
クラボウは、ユニフォーム用途へ高通気でストレッチ性のある「ジェットエアー」に、難燃「ブレバノ」や高制電「エレアース」を組み合わせた素材を打ち出す。暑熱対策に有効な素材を充実させるとともに、業種別に最適な素材を訴求しながら市場を深耕する。
ジェットエアーは織り構造と風合いにこだわり、通気性、軽量感、清涼感にストレッチ性を組み合わせた素材。これにモダクリル・綿混を中心とした防炎性・静電気帯電防止性の「ブレバノ・プラス」を掛け合わせた。ドビーで膨らみを持たせ、着心地の良さも追求。絹本良和ユニフォーム部長は「難燃で通気性のある生地は意外に開発されていない」と話し、電気設備といった特殊な用途へ広げる。
エレアースは電気・電子技術分野の国際規格であるIEC(国際電気標準会議)に対応の綿・ポリエステル素材。それにジェットエアーを掛け合わせ、清涼感を持たせた。半導体業界で設備投資が増える中、エレアースの需要は伸びており、最近はコンペでも「採用される確率が上がっている」。綿・ポリエステル混では業界初のIEC規格対応という独自性で、これからの需要を捉える。
カジュアル向けに、売れ筋の合繊素材「TAKUMI Opt」(タクミオプト)にユニフォーム対応の制電機能などを持たせた「テクラボ」として開発。その新素材ジェットエアータイプを投入する。ポリエステル100%の軽量感、速乾性、伸縮性はそのままに、徳島工場(徳島県阿南市)の加工技術を駆使しナチュラルな風合いを出した。
他にも綿紡績ならでは技術を生かした新素材が充実。「レイピマ」は、ポリエステル繊維の周りに上質なピマコットンを配し、95%の合繊高混率でありながらも、上質な綿タッチでハリコシのある素材に仕上げた。
溶接作業用途に最適な綿100%を中心とした後加工難燃「プロバン」では、摩耗・引き裂きに強い加工「タフコットン」や、フッ素フリーの撥水(はっすい)加工「アクアマジック」を組み合わせた。難易度の高い複合加工によって、新たな用途を掘り起こす。
今日23日から25日までクラボウ本社ビル(大阪市中央区)で素材展を開いている。11月20~22日には東京美術倶楽部ビル(東京都港区)で開催を予定する。今回は映画のワンシーンのような形で、「電気設備工事現場」「一般作業現場」など業種ごとに素材を使用する各職場をイメージしてもらえるような展示で発信。来場者へ新しいアイデアやヒントになる機会を提供する。