この人に聞く @TITAS(後)博祥国際 許庭瑋 業務部マネージャー

2024年10月24日 (木曜日)

「ウモーアフィル」に存在感

 ――美肌繊維をうたう「UMORFIL」(ウモーアフィル)の概要は。

 魚のうろこ由来のコラーゲンペプチドを、レーヨン、ポリエステル、ナイロンの各繊維に結合した機能糸です。これらは、ウールやシルクのように肌に優しく、吸湿性があり、消臭などの機能を持ちます。廃棄される養殖魚のうろこを再利用するサステイナブル素材でもあります。

 われわれが提供するウモーアフィルの生産レシピを基に、パートナーである台湾の紡糸・紡績メーカーが糸を生産し、それを使って国内外の織布・編み立て工場が生地を作っています。

  ――今回展では、多くの出展者がウモーアフィルを使った糸や生地を披露しました。

 糸は、主要パートナーであるナイロン・ポリエステル大手の集盛(ジグシェン)や、紡績の東和紡織(ドンフー)など4社が出展しました。生地は、織物の宏遠興業(エベレスト)、編み物の儒鴻(エクラット)など19社が新作を披露しました。

 生地のパートナー工場は、台湾をはじめ、日本や中国、トルコ、タイなどに広がっています。アジアと欧州は、サプライチェーンが充実してきました。今後は、中南米も含めた米州でのパートナー工場の開拓に注力していきます。

  ――生地の販売状況は。

 毎年着実に顧客を増やしています。現在は100を超えるブランドが、われわれの素材を採用しています。

 地域別売り上げ比率は、欧州とアジアが半々です。最近は、欧州のヨガウエアとインナーブランド、デザイナーズブランド向けレーヨン使いの販売が伸びています。逆にアジアでは、ポリエステルとナイロン使いが人気です。韓国の合繊生地メーカーが今年、ポリエステル使いの生地の開発に成功しました。これからの販売が楽しみです。

  ――日本向けは。

 生地サプライヤーが増えてきた19年に販売を本格化しました。しかし、新型コロナウイルス禍が響き、大きな成果にはつながっていません。

 もっとも今年は、日本ブランドからの引き合いが増えています。今後に期待しています。

(おわり、台北=岩下祐一)