繊維ニュース

今治で綿花収穫祭

2024年11月15日 (金曜日)

 メーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)は13日、綿花畑の「しまなみコットンファーム」(愛媛県今治市)で栽培した超長綿の収穫祭を開き、多くの関係者が参加した。

 同社は2023年から同社の品質基準を満たす超長綿を有機栽培できる国内農家と協業し、原料からモノ作りを行う取り組みを進めてきた。今年5月に種を植え「しまなみコットンプロジェクト」として本格的な綿花栽培を始めた。

 あいさつに立った貞末奈名子社長は「多くの方の尽力と協力を得て試みを一つ形にできた。今後、地産地消、SDGs(持続可能な開発目標)などに貢献できる取り組みとしても活動を広げたい」と成果と展望を語った。

 綿花収穫に参加した今治市の徳永繁樹市長は「しっとりとした心地よい手触りが印象的」とし「モノ作りの街、今治の各社の取り組みを今後も支援していく」と話した。

 経済産業省製造産業局生活製品課の髙木重孝課長も参加し「多くの要素を持った高付加価値製品として世界に発信できる。このような取り組みを国内各地に広げていきたい」と語った。

 収穫祭では、枯れてはじけたコットンボールを参加者が摘んでいった。今年は気温が高く「現在も一部の株は枯れずに成長が続いている」(同社)ことから収穫は年明けくらいまで続き、最大450㌔程度を見込んでいる。

 今回、収穫された綿花はユニチカトレーディングが素材化し、来年秋ごろにシャツ製品としてメーカーズシャツ鎌倉が販売する。

 収穫祭後の交流会では、昨年同ファームで試験栽培した綿花を使った「しまなみコットンシャツ」が公開され、22日から数量限定で販売されることも発表された。