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桑村繊維 ミラノ・ウニカに初出展

2024年11月27日 (水曜日)

 播州織産元の桑村繊維(兵庫県多可町)は2025年2月にイタリア・ミラノで開かれる服地見本市「ミラノ・ウニカ」(MU)に初出展する。主力の先染め綿織物や合繊織物などを提案する。海外の新たな販路開拓の一環。

 これまで同社は米国で開かれる「プルミエール・ヴィジョン(PV)ニューヨーク」、フランスで開かれる「PVパリ」にそれぞれ年に2回出展してきた。中国では現地法人が単独展を開くほか、「インターテキスタイル上海」にも継続的に出展している。25年はこれらの展示会に加えて、MUにも出展する。

 桑村達郎社長は減収増益となった24年9月期単体決算について、「中国の大口顧客からの発注の減少が減収要因で、国内、海外ともに生地の売れ行きは底堅く推移した」と総括した。増益に関しては「必要とされるだけの量を供給するという時代に合った生産・在庫管理ができるようになってきたことが大きい」と話す。

 一方で、「本拠の播州織産地をはじめ国内外の生産基盤を維持、発展させるためには、売るだけでなく、生産数量を上げるための努力が必要」と強調し「今期は数量を伴う売り上げ確保を目標にする。そのためには日本に加え海外で新たな売り先を開拓することが必須になる」との考えを示した。まずは20年以降の最高売上高である23年9月期の67億6900万円を超えることが目標になる。

 新たな設備投資として、今期中に多可町の織布工場に中古のレピア織機7台を導入する。廃業する織布工場から購入し、インディゴの薄地を織るために使用する。新たなレピア織機が加わることで、同工場の織機台数はエア、シャトル、レピア合せて約50台になる。

適量生産で増益

 桑村繊維の2024年9月期単体決算は、売上高66億1300万円(2・3%減)、営業利益2億7100万円(6・1%増)、経常利益3億8800万円(5・6%増)、純利益2億9800万円(24・4%増)だった。

 国内、国外の生地販売の商況は底堅かったが、中国の大口発注先からの発注数量の減少が減収の要因となった。生地の値上げを進めていることやニーズにある生地を適量で供給したことで利益率が改善した。