特集 タオル製品(4)/有力製造卸の進路/スタイレム瀧定大阪/ナストーコーポレーション/日繊商工/丸眞
2024年11月27日 (水曜日)
〈スタイレム瀧定大阪 事業本部第二事業部ガーメント2部 ギフトコミュニケーション課課長 久家 正樹 氏/直販体制の整備を継続〉
――タオル販売の現況は。
新型コロナウイルス禍以降、購買動向の変化があり、当社の主力用途でも分野ごとに濃淡があります。ブライダルや出産祝い用途での引き合いが回復する一方で葬祭用途の引き合いは低調です。ただし葬祭用途では単価が上昇しています。
さまざまな変化の途上にあるとみていますが、国内の人口減もあり、これら冠婚葬祭の返礼品としてのフォーマルギフトは、長い目で見れば縮小していく用途だとみています。
店頭販売では、昨年好調だった百貨店ルートに今年は停滞感が出てきました。コロナ禍以降の回復から頭打ちを感じます。
――直営店の動向は。
海外への手土産として、まとまった枚数が買われるといったさまざまな用途での購買が出てきました。法人別注用途で「今治謹製」が指名買いされるなどブランドが浸透していることを感じます。
直営店への来訪や問い合わせがあった場合の商談の成約率は高く、高価格帯の製品の提案がしやすい傾向があり、今後も店頭での直接受注体制の強化を図ります。
消費者からの情報が直接入ってくるメリットもあります。高齢で亡くなられた際の葬儀などで配布する「大往生」タオルなど、これまで想定していなかった引き合いもありました。このように直営店でなければキャッチできなかった情報もあります。
――今後の方針は。
今秋の売上高は前年を上回る推移でした。全般的に回復傾向がありますが、ギフト用途以外の販路開拓を進め、利益重視の製販体制を整えます。
〈ナストーコーポレーション 社長 尾池 行郎 氏/別注、名入れに再注力〉
――上半期(2024年5~10月)の商況はいかがでしたか。
前年同期比で売上高は弱含みで推移していますが、利益面はコスト高を反映した価格改定が進んだことで改善しています。
下半期は昨年に生産委託先で発生した火災に伴う生産ロスの分を取り返すほか、重点的に進めている別注タオルの受注拡大に注力しており、収益ともにさらに改善が進められるとみています。
――販売手法の再構築を進めています。
当社が強みを持つ、別注タオル、名入れタオルに関連する新しい事業形態を模索しています。
現在、今治産地のタオルメーカーとの連携を密にし、数百枚単位の注文に対し、メーカーが指定する約30色のタオル生地で小ロット短納期に対応できる体制を整えています。
小ロットでも名入れ、別注タオルを作りたいという要望は今後も増えるとみていますが、基本はBtoBのビジネスだと考えます。
そのためにインターネットの卸仲介サイトの活用も進めています。当社が取り扱う全ての定番タオルを掲載し、小規模な小売店などへの拡販を進めます。サイトを介することで売掛金保証の設定など副次的な作業を省略できる点もメリットと考えています。
従来の名入れタオルは重厚長大型のビジネスモデルでしたが、一つの商談ごとに確実に利益を上げられる形を追求していきます。
――本社機能を箕面市に戻しました。
至近の新駅開設など、いろいろな条件が重なり、大阪市内から本社所在地である箕面市に戻しました。常設ショールームの拡大なども検討しています。
〈日繊商工 社長 俣野 太一 氏/商流も意識した開発を〉
――市場環境をどのようにみていますか。
2024年7、8月が猛暑だったことが影響したのか、店頭ではタオルのプロパー販売や百貨店でのセール販売は前年比で堅調に推移しました。
ただし、消費者の生活防衛意識の高まりが継続する中での実需品として購入されています。値頃感やお得感が大事な要素になっていると分析しています。
フォーマルギフト用途も新型コロナウイルス禍からの回復はありますが、やはり食品の人気が高いようです。ただし食品はタオルと比べて原価率が高いこともあり、商流の中には「タオルを売りたい」という要望が根強い。これら商流と消費者の両方の期待に応えられる製品を企画し、提案を行うことが次の成長戦略になると考えます。
現在も悩みを解決できる機能提案、インバウンド向けの情緒提案など新しい付加価値の模索を続けています。
――これまでにない提案に取り組んでいくのでしょうか。
当社が打ち出している「体操タオル」も健康志向に応えた提案の一つですが、高齢者の健康づくりや児童の教育現場との連携も重視しています。海外展開も視野に入りつつあり、時間をかけて市場を作っていきます。
かつてのデフレ経済下のような「海外で安く作って国内で安く売る」という事業構造は既に崩れたと考えています。
タオル卸業連合会での活動を通じ、製造卸間の横の交流が深まりつつあります。今後、国内でタオルを製販していくためには国内産地のタオルメーカーも含めた業界全体での連携も必要です。当社では、今後も商と工の連携をさらに強化していきたいと考えています。
〈消費者目線で新ビジネスを/丸眞〉
丸眞(名古屋市守山区)は、消費者が求める商品の開発を強化し、さまざまな販路や販売先に適する商品の供給を進める。従来の販売手法や常識にとらわれない発想で、新ビジネスを喚起する。
前期(2024年8月期)は、売上高・利益ともにほぼ横ばいだったが増収基調と苦戦傾向の販路が明確になりつつある。伸びているのがイベントやフェス、ライブ向けで、“コト”消費のニーズを着実につかんでいる。
今期は約105種類に増えたブランド・キャラクターのライセンス企画強化に加えて、自社オリジナル企画の確立も目指す。雑貨も売上高の約2割を占め、タブレットケースが人気を博す。
企業の社会的責任を果たす取り組みにも積極的に参画し、自社商品の販売促進にも生かす。
フィンランドの自然を散歩するイメージを柔らかい色柄で表現した「polku」(ポルク)シリーズも品種を増やす。ミニハンカチより少し大きめなキャリータオルも投入した。売上金の一部は植林活動資金として公益財団法人に寄付される。





