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東レ/中国の大学で特別講義/自動車メーカーと共同開催

2024年12月16日 (月曜日)

 東レはこのほど、中国の電気自動車製造販売会社、上海蔚来汽車(NIO)との共同による特別授業を北京市の大学、中央美術学院で開催した。若手デザイナー育成支援の一環として実施し、11人の学生が参加した。スエード調人工皮革「ウルトラスエード」の講義など、全3回で構成した。

 授業は、同学院のデザイン学院プロダクトデザイン学部出行創新専攻の2年生が受けた。ウルトラスエードとNIO内装デザインに関する講義では、東レがウルトラスエードの歴史やモノ作りを紹介し、NIOはインテリアデザインのコンセプトについての方向性などを語った。

 社内で不要になったウルトラスエードの生地サンプルや試作の残反などを利用したワークショップでは素材への理解を深める機会を作った。学生は、室内空間デザイン提案とプロダクトの提案の二つから選んだ課題に取り組み、その発表が課題中間報告会で行われ、5人が選出された。

 5人の学生はクリエーションを加え、最終的な作品を発表。優秀賞には、NIO LIFEアイテムとして家庭用照明スタンドを考案・作成した唐什さんが選ばれた。作品のユニークさに加え、ウルトラスエードの温かみ、断ち切り可能という素材特性を落とし込んだクリエーションが評価された。

 東レは、2017年から出行創新専攻に対してウルトラスエードに関する特別講義と卒業制作への素材無償提供を行ってきた。自動車メーカーとの共同での取り組みは今回が初めて。