ごえんぼう
2024年12月19日 (木曜日)
「あらゆるコストが上がっているこのご時世に、値下げを要請してくる販売先がある」と呆れ顔で話すのはある生地商社幹部だ▼その販売先の厚顔無恥な姿勢に、同生地商社の仕入れ先も一様に驚き、憤ったらしい。業界全体で商品価格や加工料金を引き上げていくのがミッションのはず。その共有が成されていないことには驚きしかない▼公正取引委員会は、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化に関する調査の結果を踏まえ、取引先との値上げ交渉で十分な対応を怠ったり、料金据え置きを続けた事業者名の公表に踏み切った。世は明らかに「値上げせよ」の流れだ▼生地商社の販売先は、据え置きではなく値下げを要求してきた。生地商社幹部は「言語道断」と憤り、その販売先との取引を停止することを決めた。これが“お灸”になり、自社都合だけを考える姿勢を改めてくれることを祈る。