ごえんぼう

2025年01月29日 (水曜日)

 20世紀メディア論の大家、マーシャル・マクルーハンは、テクノロジーは人間の体の拡張にあるととらえた▼手の代わりに石斧、足の代わりに車輪(自転車や自動車)、目の代わりにテレビ、脳の代わりにコンピューターを生み出すなど、技術によって人間の能力を拡張させ、世界を豊かにしてきた▼2025年は「AIエージェント」が本格的に普及し始める年とされる。与えられた目的に沿って自ら判断して行動する自律型AI(人工知能)で、例えば在庫データや売上予測データを組み合わせて自ら発注するなど、業務執行まで担う。代理人であるAI同士が取引する経済の到来も見込まれ、ビジネスの在り方を大きく変える可能性が高い▼自律型AIは、人の良きビジネスパートナーになるのか、それとも人の存在を揺るがす脅威になるのか。“脳”の拡張が加速する中で、人もビジネスも変化していかざるを得ないことは確かだ。