繊維ニュース

日本エクスラン工業/衣料用途を再構築/アクリレート繊維軸に

2025年02月19日 (水曜日)

 東洋紡グループのアクリル・アクリレート繊維メーカーである日本エクスラン工業(岡山市)は、2025年度(26年3月期)に向けてアクリレート繊維を軸に衣料用途の再構築に取り組む。海外SPAとの取り組みも視野に入れる。

 同社は24年度上半期(4~9月期)に価格改定などを進めたことで営業黒字に浮上した。下半期(24年10月~25年3月)も引き続き営業黒字を確保できる状況で推移しているもよう。ただ、円安の影響で円換算での原料調達価格が上昇しているほか、物流費なども増加したことで上半期と比較すると利益はやや下押しされる見通し。

 こうした中、25年度も引き続きアクリル繊維は国内販売、輸出ともに利益重視の姿勢で臨む。その上で独自性のある機能などで評価が高まっているアクリレート繊維を軸に攻勢をかける。既に寝装分野での採用拡大が続いており、加えてフィルター、メディカル、次世代エネルギー関連などの産業資材分野でも実績が高まっている。

 衣料用途でもアクリレート繊維を軸に再構築に取り組む。現在、寝装用途は国内SPAとの取り組みが成功したことで販売拡大が続いていることから、衣料用途でも海外SPAなど有力需要家への提案を進めることでアクリレート繊維のグローバル展開を目指す。

 また、1月1日付で家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規程が改正され、指定用語に「アクリレート」が追加された。品質表示でアクリレート繊維は「アクリレート」と明示されることになり、消費者の間で認知度が高まることが期待できる。こうした動きも衣料用途での販売拡大に向けて追い風にしたい考えだ。