東洋紡エムシー/オランダ企業と協業/洋上風力発電用係留索で
2025年02月21日 (金曜日)
東洋紡エムシーはこのほど、オランダの特殊高分子材料大手、アビエント傘下のアビエント・プロテクティブ・マテリアルズ(以下、APM社)と日本における超高分子量ポリエチレン(HMPE)繊維を用いた浮体式洋上風力発電用係留索の協業に関する基本合意書を締結した。日欧両企業の実績や知見を生かし、係留索の市場拡大に取り組む。
洋上風力発電設備は風車の支柱を海底に固定する着床式と風車を海に浮かべて係留索で海底とつなげる浮体式がある。浮体式は水深が深い海域に適しており、遠浅の海域が少ない日本での導入拡大が期待される。
東洋紡エムシーは2024年から大林組が青森県沖の海域で実施する浮体式洋上風力発電施設のテンション・レグ・プラットフォーム(TLP)型浮体設置実験に参画し、HMPE繊維を用いた係留索の実用可能性を検証している。
一方、APM社もポルトガルやスコットランドで既に商用稼働しているプロジェクトのほか、欧州でHMPE繊維製係留索を使用した複数の実証試験に参画し、実用化に向けた知見を蓄積してきた。
HMPE繊維はポリエステルやナイロンなど他の合成繊維と比べて高強度かつ軽量。このため浮体式風力発電施設の係留索に使用することで施工やメンテナンスを含むコスト削減が期待される。今回、東洋紡エムシーとAPM社が協業することで両社の知見を合わせ、日本におけるHMPE繊維製係留索の市場拡大と、洋上風力発電の普及貢献を目指す。