ごえんぼう
2025年02月26日 (水曜日)
コンビニエンスストアのテイクアウトコーヒーなどライバルも増えたが、根強い人気のある缶コーヒー。1970年の日本万国博覧会が、普及するきっかけになった▼その前年に缶入りコーヒーが開発された。物珍しさと手軽にコーヒーを味わえると、万博で全国から押し寄せた入場者らの人気を集めた▼缶コーヒーは「もったいない」精神から生まれた。当時、コーヒー飲料は瓶入りが主流。UCC上島珈琲の創業者の上島忠雄氏が、駅の売店で飲みかけのミルクコーヒーの瓶を残して電車に飛び乗り、「もったいないことをしてしもた」と悔いをかみしめるうち「そうや、缶や」とひらめいた(『朝日クロニクル20世紀 日本と世界の100年第6巻』)▼殺菌の加熱臭などの課題を克服して商品化。発売当初は邪道といわれたが、缶飲料の柱の一つに成長した。4月13日に開幕する大阪・関西万博でも、新たなモノが生まれるだろうか。