「ザ・メーカーズ・アパレルショー」 注目企業 ⑤

2025年03月03日 (月曜日)

独自の風合い追求の製品

 快適な婦人カジュアル

南通宏邦紡織(東京会場ブース番号A10)

 2006年に設立された日本向け専業のアパレル貿易会社。織物製と編み物製双方のカジュアルウエアを取り扱っている。バッグや帽子などの雑貨の生産にも対応する。

 顧客のニーズに合わせて、小ロット・短納期が得意な江蘇省南通やその周辺の協力工場と、大きなロットに対応できる同省北部の協力工場を使い分けている。検品に力を入れ、品質確保に努める。

 24年の取扱高は286万㌦で、前年実績を大きく上回った。うちアパレルは191万㌦、雑貨は95万㌦だった。

 今回展では、洗濯したてのようなカジュアルな風合いで、快適さと実用性を追求した製品など、春夏のレディースウエアを出展する。

機能性の子供服

南通虹天服装(同B13)

 1997年創業の編み物製衣類メーカー。生産アイテムはキッズ、レディース、メンズのカジュアルウエアで、年間生産量は400万枚超。開発から生産、検品、貿易まで一貫展開する。自社内にホルムアルデヒド検査の施設を持つ。

 輸出向けが大部分を占める。輸出全体のうち、9割が日本向け、1割が欧米向けだ。新型コロナウイルス禍後は、円安と受注量の減少に苦しめられた。この1、2年の受注量は、前年比横ばいを維持する。

 今回展では、キッズウエアを打ち出す。速乾、抗菌防臭、UVカット、冷感、抗ピリング性などの多様な機能性を持つことを訴求。著名キャラクターのIP(知的財産)を使った製品を生産できることも紹介する。

フェイクウールコートなど

南通三沃貿易(同B08)

 2011年に設立されたレディース専業の貿易会社。日本向けに特化している。国内外の協力工場を活用する。主力アイテムはフェイクウールコートとダウンコート、ブラウス。サンプル生産に迅速に対応し、小ロット生産も可能だ。日本の商社経由で高級からベターゾーンまで、さまざまな製品の生産を請け負っている。

 ここ数年の業績は安定していたが、24年は中国国内の景気鈍化や円安などの複合的な要因が重なり、受注量の低迷に苦しんだ。

 既存顧客のブランド数社の売り上げ比率が目立って高いことが課題だ。そのため、新規開拓を加速し、顧客を増やす考えだ。

 今回展では、強みとするファイクウールコートに加え、リサイクル素材使いや中空糸を使った各種コートを出展する。スカーフ、帽子も紹介する。

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 「ザ・メーカーズ・アパレルショー」は5、6日に東京国際フォーラムで、7日にシティプラザ大阪で開催。(おわり)