繊維ニュース

ユニクロ「感動パンツ」/10周年でさらに進化系/東レとの共同開発結実

2025年03月04日 (火曜日)

 ユニクロは3日、東レとの共同開発素材を使った「感動パンツ」の新商品発表会を時事通信ホール(東京都中央区)で行った。販売から10周年を迎え、機能面やデザイン、シルエットなどをアップデート。カジュアルからビジネスまでの幅広いシーンを想定し、スタイリングのバリエーションを広げている。

 セットアップ対応可能な「感動ジャケット」とのスタイリングに加え、ユニクロで打ち出すポロシャツやベストと組み合わせ、タウン用やスポーツの場でも「着用してほしい。こだわりの機能、素材を分かってもらえるはず」(ファーストリテイリングの勝田幸宏グループ上席執行役員)と説明した。

 伸縮性と速乾性に優れた軽量なポリエステル繊維を使い、自宅でも簡単に洗える仕様でロングセラーとなった。パンツは約300グラム、ジャケットで約380グラムという軽さで、天然素材のアイテムと比較し、重さは半分以下となっている。「(パンツは)春から残暑まではける。デザイン上で万能なパンツだ」と話す。

 素材を共同開発してきた東レの石川元一グローバルSCM事業部門長は「合繊素材特有の光沢感を抑え、マットな質感を実現している」と説明。ファーストリテイリングの高い要求に応じるため、コットン、ウール見えの合繊素材を突き詰めたと言う。ウールライクな合繊素材は「3代目」であることも明かした。

 今春に投入した婦人用では、ワイドパンツ(3990円)やリラックスフィットのジャケット(6990円)も用意。速乾のドライ機能を維持しながら、より軽量化に成功している。

 ビジネス対応のパンツ、ジャケットで“ストレスフリー”という「矛盾を解決する」ことでビジネスを拡大。オフィスカジュアルという新たな市場形成にも寄与している。この日は新社会人を招待して感動コーディネートの紹介、お悩み相談なども行われた。