繊維ニュース

この人に聞く/北京和霽商務策劃 総経理 翟鑫 氏/点ではなく線のつながりを

2025年03月07日 (金曜日)

 5、6日に東京都内で開催されたOEM・ODM商談会「第3回ザ・メーカーズ・アパレルショー」。中国などから約100社が集い、会場には日本のアパレル関係者や買い付け担当者らが足を運んだ。大阪展は今日7日にシティプラザ大阪(大阪市中央区)で開かれる。プロデューサー的役割を担う北京和霽商務策劃の翟鑫総経理に話を聞いた。

  ――ザ・メーカーズ・アパレルショーは3回目の開催となりました。

 出展企業の多くは日本向けのビジネスで実績を持っており、日本市場のことをよく研究しています。日本の市場や企業のニーズは新型コロナウイルス禍を経て大きく変化しましたが、出展企業はその変化をしっかりと理解しています。

 そうした企業が集まっている。それがザ・メーカーズ・アパレルショーの特徴です。

 変化の一つが大量生産ではなく、小ロット・短納期対応です。以前から求められていますが、要望がより大きくなってきました。そうした声に各社が積極的に応える姿勢を見せ、新製品の開発や先端素材の提案にも注力しています。こうした取り組みで出展企業と日本の企業が点と点ではなく、線でつながっていくのだと感じています。

  ――出展製品や素材の高度化を感じます。

 江蘇省のある企業は、中国の中でも上位に入る優れた生地を生産しています。保温性や通気性に優れ、プロのスキーヤーが着用するウエアにも採用されています。また、これらの生地を用いてスキーウエアを製造する企業は、レーザーカット(裁断)と圧着(シームレス)を組み合わせて付加価値を高めました。

 デニムに目を移すと、ベトナムに工場を持ち、専門性の高い生地を製造する企業が出展しました。生地だけでなく、ジーンズの製造や仕上げを得意とする企業の姿もあり、単体ではなくサプライチェーン全体で提案することが可能です。質も向上しており、全体の存在感も高まっているのではないでしょうか。

  ――新たな試みも見られました。

 「最新デザインと価格優位性を兼ね備えた出展企業」「先端技術を持つ出展企業」「サステナブルに対応できる企業」などのカテゴリーを設けています。出展ブースの社名をカテゴリーで色分けして分かりやすくしました。そのほか、国際的なインナー素材展と連携し、「アンテルフィリエール上海」に出展した企業の合同ブースを設けました。

 日本企業がわれわれに求めるレベルは、欧米企業の要求よりも高く、厳しいと言えます。ただ、日本はわれわれにとって重要な市場であることは変わりません。商談会を通じて技術や品質、ロット・納期対応、コストパフォーマンスをアピールしてビジネスの拡大につなげます。