魅力高める 中国OEM・ODM企業~「第3回ザ・メーカーズ・ アパレルショー」レビュー~①
2025年03月13日 (木曜日)
日本の市場は熟知
中国や東南アジアの企業が一堂に会した商談会「ザ・メーカーズ・アパレルショー」がこのほど東京と大阪で開催された。3回目を迎えた今回は、新たな試みも見られるなど、OEM・ODM専門商談会としての魅力にさらに磨きがかけられた。出展者も日本市場を熟知する企業が多く、ニーズに合致した提案が行われた。
商談会は、5、6日に東京都千代田区の東京国際フォーラム、7日に大阪市中央区のシティプラザ大阪で開催された。92社(大阪は49社)が集い、各種衣料品や副資材、服飾品などを打ち出した。会場を歩くと機能素材や環境配慮型素材を使った商品を訴求する企業の姿が目立った。
新しい試みも目を引いた。その一つが、国際的なインナー素材展との連携。「アンテルフィリエール上海」の特別展示エリアが設けられ、6社がランジェリーや水着関連の素材、副資材を紹介した。広東勝意実業はゴム編みベルトを中心に提案を行い、東莞市華弈服飾輔料は下着や水着の副資材を展示した。
そのほか、日本向けアパレル製品の生産基地としての地位を確立している江蘇省南通市の取り組みも見られた。南通市政府が選別した25の優良企業が「NANTONG EXPORT BRAND・南通名品」のテーマのもとで出展団を組織。それぞれのブースで新製品を披露した。
個々のブースを見ると、さまざまな角度から提案が行われたが、初出展の企業も個性を前面に打ち出した。漾美〈天津〉紡織品は、日本市場向けで約30年の実績を持つが、これまで展示会や商談会に出展する機会はなかった。「景気の減速でみんな元気がなくなってきた。アピールが必要と考えた」と参加の理由を説明した。
婦人のファッション衣料を得意とするが、抗菌や吸湿、UVカット、花粉対策、保温といった機能性を付与することが可能だ。顧客の要望に応じて生地加工と糸段階での機能付与を使い分ける。現状は約50%が日本向けで、商談会を通じてビジネス拡充を狙う。「ネット販売専門のアパレルとも取り組みたい」とした。
スキーウエアの製造を主力とする大連美思亜服装も今回が初出展。18年の設立で日本市場向けがほとんどと言う。日本企業との取り組み強化を図る中で、「当社は中高級ゾーンの製品製造に対応している。ザ・メーカーズ・アパレルショーが合っていると思った」と話す。
レーザーカット(裁断)を強みとする。高い精度が最大の特徴であるレーザーカットは、大連の自社工場に1台導入している。圧着加工(シームレス縫製)と組み合わせることで付加価値を高めている。「日本のスキー市場は大きくないが、良い商品が売れる。可能性は大きい」とし、顧客の要望に応えられるよう、小ロットにも対応する。