魅力高める 中国OEM・ODM企業~「第3回ザ・メーカーズ・ アパレルショー」レビュー~②

2025年03月14日 (金曜日)

雑貨や寝具にも視線集まる

 今回のザ・メーカーズ・アパレルショーでは、婦人服や紳士服をはじめとするファッション衣料はもとより、小物・雑貨や寝装・寝具の提案も目立った。

 キャップやニット帽を中心に提案を行ったのが、2014年設立の南通佳創貿易だ。南通市などに協力工場を持ち、年間約60万個の帽子を生産している。会社立ち上げ当初は全体の10~20%だった日本市場向けは徐々に拡大し、現在は約半分を占めるまでになった。将来は日本向けの比率を60~70%に高める。

 現社長の陳志傑氏が、帽子会社の勤務を経て独立し、同社を立ち上げた。陳社長は「新型コロナウイルス禍がなければもっと早く成長できていた」とした上で、今後について「量も大事だが、日本との商売を長く続けるためにも質を重視したい」と強調する。

 南通宏邦紡織は、婦人ファッションと雑貨を中心とする会社。織物のカジュアル衣料の製造を得意とし、撥水(はっすい)加工やデニムのバイオウオッシュ加工などを手掛ける。本縫いミシン40台、ロックミシン12台を設置する南通の自社工場で年間60万~120万枚生産する。

 これまで日本では東京に事務所を持っていたが、昨年に日本法人である「株式会社ホンベックス」(東京都足立区)を設立した。中国の生産拠点を探すセレクトショップや小規模店舗は多いが、直輸入のハードルは高い。同社は日本法人を通じて通関や決済のサポートを行うとしている。

 蕭邦生活科技〈浙江〉は、寝装・寝具をメインに扱っている会社で、約20年の歴史を持つ。浙江省の自家工場で生産し、寝具全般の自社ブランド「紅秀世紡」を展開する。同ブランドの製品は中国国家品質基準に合致し、高品質、高コスパに自信を示す。

 日本市場ではOEMを軸に「これから本格的な拡大を目指す」とし、「商談会を通じてニーズを把握してさまざまな製品を作っていきたい」とした。ホテル向けなどでOEM・ODMの話があるほか、家庭用寝具の生産にも対応する。

 ファッション衣料の打ち出しでも高度化が目を引いた。浙江省紡織品進出口集団のグループである浙江東方集団泓業進出口は、婦人服と紳士服の両方を展開する。元々は横編み製品を得意としていたが、現在は丸編み製品や織物製品の生産・販売も行う。

 江蘇省にあるニットの自社工場には、編み機30台を保有し、12~18のハイゲージを得意とする。リンキングミシン8台、ネーム付け用のミシン2台、アイロン6台を設置し、一貫生産を行っている。丸編み製品と織物製品は協力工場で生産している。