ごえんぼう
2025年04月04日 (金曜日)
この時期は“桜あんぱん”がうまい。桜の塩漬けが味と見た目のアクセントとなり、幸せな心地になる▼開発したのは、あんぱんの発明者で木村屋總本店の創業者である木村安兵衛。明治天皇に献上したのが始まりだった。それが150年前の今日。このことから4月4日は「あんぱんの日」に制定された▼木村安兵衛は茨城県の農家に生まれ、農業をしていたが、度重なる水害で農業を断念し、江戸へ移住。事務職を経てパン屋を開業した。イースト菌の稀少性や日本人の味覚を考慮し、酒種酵母を用いたあんぱんを考案。和洋折衷の新しい食として、新聞社や蒸気船などと並び「文明開化の七つ道具」と言われた。新橋―横浜間に鉄道が開通すると、駅構内に販売店を設け、パンを広めた▼あんぱんには、安兵衛らの挑戦と創意工夫が詰まっている。なお、桜あんぱん誕生の裏には幕末の志士・山岡鉄舟がいた。人の出会いも大切だ。