生地商社の海外市場開拓/認証と納期の問題解決急務/商工連携の模索が進む
2025年04月07日 (月曜日)
生地商社による海外市場開拓が熱を帯びている。海外展への積極参加や海外拠点を設置する動きがここに来て目立ち、直近の輸出売上高を伸ばす生地商社も多い。国内アパレル市場の縮小が不可避な中、海外市場開拓は生地商社にとって至上命題。ただし、欧米ブランドの多くが求めるサステイナビリティーやトレーサビリティー、またその認証、納期問題など、課題も山積。鍵を握るのは商と工の連携か。(吉田武史)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)の2025年1月期の欧米向け生地販売は前期比約10%拡大した。英国向け、イタリア向けは苦戦したが、北米向けやフランス向け、ベルギー向けなどが伸びた。22年にニューヨークに法人を構え、23年にパリ、24年にミラノにショールームを置いたことで、現地で重要顧客を招いた個展が開けるようになったことも輸出拡大の力になった。
川越政(同中央区)の生地販売に占める海外市場向けの比率は、23年12月時点は20%だったが、24年12月には35%に引き上がった。国内向けも伸ばしていることから輸出の好調さが分かる。英国向け、スペイン向け、米国向けなどで伸ばした。
輸出が95%を占めるデビス(同)の24年12月期単体売上高は、前期比40・6%増の149億円と大きく伸びた。欧州のみ落ち込んだが、北米、豪州、中東ファッション、中国、中南米向けなどで増やした。生地輸出特化型である同社の業績急拡大は、北陸産地を中心とした日本製生地が世界で高い評価を得ていることの代表例と言える。
ここで列挙した企業にとどまらず、ほぼ全ての生地商社が輸出や外・外など海外市場開拓を最優先の方針に掲げているが、その実現には幾つも課題がある。課題の代表は認証と納期だ。
分業の弱点が各種認証取得にも表れている。「誰が費用を出すのか」という問題である。認証取得に関する費用は通常、モノ作りの現場が負担することが多いが、商社が主導するケースが増える傾向にある。時間がかかってはいるが、徐々に改善が見られているようだ。
日本のモノ作りは世界的に高い評価を受けており、生地もその一つであることは間違いない。他国に比べて明確に劣るのは納期。その改善がない限り、これ以上の市場開拓は進まないという指摘が相次ぐ。改善に向けて大手を中心に、工場への資本投入や産地企業・染色加工場との連携が進み出してはいるが、果たして――。





