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シキボウ/「アゼック」は進化系で/高温化の夏、より快適に

2025年04月10日 (木曜日)

 シキボウは、校倉(あぜくら)造り構造織組織の高通気「アゼック」の進化系素材を拡充している。既存の加工技術を組み合わせ、高温化する夏をより快適に過ごせる素材を開発。ユニフォームやシャツ用途などでの販路をさらに深耕する。

 アゼックは春夏向けのユニフォーム用途での採用が多く、昨今の気温上昇に伴い、年間を通じた受注が拡大。最近ではSDGs(持続可能な開発目標)と連動した素材開発が進むとともに、他の機能素材と組み合わせた複合開発も活発になっている。

 ポリウレタンを使わない特殊技術のストレッチ加工「パワール」との組み合わせでは、一部のユニフォームメ―カーが採用。毛羽が少なくすっきりとした表面感を持つ特殊紡績糸使いの「クールボディ」は、接触冷感性に優れ、アゼックと組み合わせることで、より通気性や快適性を高めた。

 同社は展示商談会「テキスタイル&ヤーンEXPO」を大阪本社で11日まで開催。今後は東京や岡山、福山でも開催を予定する。会場ではファッションブランド「アンリアレイジ」との連携による、NTTのパビリオンスタッフユニフォームも展示。アゼックを採用しており、電動ファン(EF)付きウエア「空調服」との組み合わせに、来場者から高い関心を寄せられた。

 他にも織布・染色加工のシキボウ江南(愛知県江南市)に起毛機を入れたことを受け開発した、ソフトで優しい手触りが特徴の起毛加工「クリムス」を披露。中国紡織(広島県福山市)が、シキボウの特殊精紡交撚綿糸「デュアルアクション」のスラブ糸を使い開発したデニムなども展示している。