和歌山ニット商工協組青年部会 万博で発信
2025年04月14日 (月曜日)
和歌山ニット商工業協同組合の青年部会が13日に開幕した2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に参加し、世界に向けて「和歌山ニット」を発信する。原糸には東洋紡せんいの新方式リサイクル綿糸「さいくるこっと」とSPiber(山形県鶴岡市)の構造タンパク質繊維「ブリュード・プロテイン」(BP)を採用した。
大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現する和歌山ニットを披露する。
同協組青年部会は21年から雑誌「ビギン」を発行する世界文化社の通販サイト「ビギン・マーケット」とコラボレーション企画「和歌山大莫小」を実施している。デザイナーに馬場賢吾氏を迎え、共通デザインの製品を和歌山ニットで商品化し、販売してきた。大阪・関西万博参加も和歌山大莫小プロジェクトの一つ。関西パビリオンの和歌山県ブースで今月30日から5月3日まで青年部会加盟16社のうち11社の独自のニット生地を使ったTシャツとスエットパーカを展示販売する。
原糸にもこだわった。新方式開繊技術によって繊維長を維持したリサイクル原綿を使用することでリサイクル原料100%糸や細番手糸の紡績を実現したさいくるこっと、植物由来原料から微生物発過程による量産に成功した構造プロテイン繊維であるBPを採用した。
同協組の伊東康守青年部会長(フジボウテキスタイル営業部和歌山担当部長)は「サステイナブル素材や次世代素材と和歌山ニット産地の技術を融合することで万博のテーマにもつながる」とし、風神充宏青年部会幹事(美和繊維工業社長)は「和歌山ニット産地の技術力を世界に認知してもらう機会にする」と話す。
例えば美和繊維工業はリサイクル原料80%・オーガニックコットン20%混のさいくるこっと80番単糸による40ゲージ(G)のモックロディのTシャツと、この糸を表地、リサイクル原料100%さいくるこっと20番単糸を裏毛に配したスエットパーカを披露する。フジボウテキスタイル和歌工場の特殊風合い加工「マックソフトプレミアム」を施すことで柔軟さと反発性を両立した。フジボウテキスタイルはBP10%・綿90%混天竺や裏毛にこちらもマックソフトプレミアム加工を施したTシャツとスエットパーカを披露する。
そのほかの参加企業も独自の技術と工夫を凝らした編み地を開発している。大阪・関西万博に参加するのは以下の11社。フジボウテキスタイル、豊染工、オカザキニット、阪和、風神莫大小、エイガールズ、美和繊維工業、丸和ニット、紀南莫大小工場、ミックテキスタイル、カネマサ莫大小。