繊維ニュース

探訪 ユニフォーム一新!/万博編/これからのユニフォームは変わるか!?

2025年04月16日 (水曜日)

 13日に開幕した大阪・関西万博。各パビリオンや出展企業のユニフォームはジェンダーフリーや環境配慮、日本の美などをテーマに多彩なデザインで、これからのユニフォームの形を予感させる。

〈大阪ヘルスケアパビリオン〉

 アテンダントのユニフォームは、「REBORN」のテーマを基に小出真人氏がデザイン。自然との調和を表す色や形を取り入れ、性別・季節を問わず着用可能なボーダーレス仕様となっている。全てポリエステル素材でリサイクルを前提に製作され、環境にも配慮した。

〈日本館〉

 アテンダントのユニフォームは、「日本の美意識を纏う」をコンセプトに、美しさと機能性の両立を目指してクリエーティブディレクターの中田優也氏が担当した。着物の構造を生かし、機能性や環境配慮、多様性に対応したデザインとなっている。

〈国連パビリオン〉

 アテンダントのユニフォームはユニクロが提供。伝統的なプレッピースタイルをベースに、現代的なベーシックウエアに仕上げた。ジャケットとパンツは、ユニクロの感動シリーズの素材を採用。軽量で伸縮、速乾性のある快適な着心地を実現した。

〈三菱未来館〉

 ユニフォームは、ジェンダーレス対応で、どのような体形でもギャザーを調整して着用することが可能。個性や価値観の多様性を尊重し、性別に関係なく自由に組み合わせられるフリーコンビネーション対応となる。

〈シグネチャーパビリオン「DialogueTheater―いのちのあかし―」〉

 「ミナ ペルホネン」が企画・デザインを担当した。コートジャケットの胸の前の重なりにこだわった。一般的に、洋服のシャツのボタンなどは、女性は右が前、男性は左が前になっているが、右と左の生地が“対話”をするように重なり合うデザインを採用した。

〈カナデビア〉

 未来の都市パビリオンに出展するカナデビア(旧日立造船、大阪市住之江区)のアテンダントのユニフォームをゴールドウインがプロデュース。環境に配慮した高機能素材を使用し、人工知能(AI)のアルゴリズムと3D技術を用いて生地裁断時の廃棄量を削減した。

〈シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場クラゲ館」〉

 ユニフォームに撥水(はっすい)糸と吸水糸の組み合わせで、高通気・汗処理に優れクーリング機能のある、ミズノの生地「ドライエアロフロー」を採用。多様性に配慮したデザインで、自由にスタイリングができる。

〈関西パビリオン(徳島県)〉

 徳島県は、藍染と間伐材由来の素材を融合させたサステイナブルなユニフォーム「踊渦潮乱舞鯛紋様型染法被」を発表。藍師BUAISOUによる藍染と、上勝町発の杉素材「KINOF」を用い、徳島の自然や文化を象徴するデザインに仕上げた。

〈ORA外食パビリオン~宴~〉

 大阪外食産業協会(ORA)が主催するパビリオンのアシスタントやキャストのユニフォームは、赤い帽子・バンダナやイエローのベスト、ホワイトやイエロー、淡いブルーのシャツ、ピンクのパンツを着用し、「みんなが笑顔になれる」デザインを意識した。

〈パソナグループ〉

 VIPアテンダント用の衣装は、97歳の現役デザイナー藤本ハルミ氏が、西陣織や友禅染を用いて制作した。日本の伝統と美意識を込めたデザインで、世界に向けて日本文化の魅力を発信する。

〈水空 SUIKUU〉

 サントリーホールディングスがダイキンと共創するレストラン「水空 SUIKUU」のスタッフユニフォームには、人気ブランド「ミナ ペルホネン」を採用。水や空気の流れを表現したオリジナルテキスタイルを使い、柔らかなシルエットと機能性を兼ね備え、自然への敬意と「水と生きる」という企業理念を反映させている。

〈タカラベルモント〉

 大阪ヘルスケアパビリオンに出展するタカラベルモント(大阪市中央区)は、コシノジュンコ氏がデザイン。展示から放たれる光と融合しながらもその存在感が際立つよう、未来を感じさせるシルバーと白で統一し、メリハリを出した。

〈NTT〉

 スタッフユニフォームは、ファッションブランド「アンリアレイジ」がデザイン。生地にはシキボウの校倉(あぜくら)造り構造織組織の高通気「アゼック」を採用した。ジェンダーレスのデザインに加え、生地やプリント方法など細部までこだわった。