東洋紡エムシー/可溶型PPEを開発/繊維化技術の知見応用
2025年04月17日 (木曜日)
東洋紡エムシーはこのほど、ポニフェニレンエーテル(PPE)の有機溶剤可溶型を開発した。既に確立した繊維化技術の知見を応用したもので、コーティング剤や接着剤用途への応用が期待される。
PPEは耐熱性や難燃性、耐薬品性、絶縁性に優れるエンジニアリングプラスチック。東洋紡エムシーはこれまでに溶融紡糸によるPPE単体での繊維化に成功している。そこで得た技術知見を応用し、有機溶剤可溶型PPEを開発した。
有機溶剤可溶型PPEは、高分子量のPPE単体を汎用溶剤に溶解させたもの。これまで低分子量のPPEを溶解した溶液は分子量を高めるために乾燥工程後に熱処理を加える必要があったが、今回の開発品は乾燥工程のみで高分子量を得ることができる。このため塗膜強度の向上などが期待できる。
今後はPPEの耐熱性、絶縁性、低誘電特性などを生かし、耐熱性コーティング剤や電子材料用接着剤などで用途開拓を進める。