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東京ソワールが社名ブランド/販路横断型の新礼服/幅広い消費者に専業の強み

2025年04月24日 (木曜日)

 東京ソワールは、百貨店や量販店など販路横断型の婦人用ブラックフォーマル「トウキョウソワール」を今秋に打ち出す。デビューはスタンダードな計3型を用意し、対象年代を設定しないノンエージのフォーマルとして提案する。同社が販路横断型のブラックフォーマルを販売するのは初めて。

 25秋冬シーズンはトライアル販売という位置付けで、26春夏から型数を2倍に増やす。価格はアンサンブル5万9千円、ワンピース3万6千円、パンツスーツ6万3千円になる。百貨店向けのブラックフォーマルと比較し、やや安価な設定にした。

 百貨店や量販店に加え、直営店の「フォルムフォルマ」、自社の電子商取引(EC)でも取り扱う。売り場を拡大しながら、スケールメリットを生かした素材調達も行う。販路を横断するマルチチャネル化を進めることで生産性も向上する見通し。

 社名をブランド化することについて「消費者に東京ソワールを認知させるのが狙い」(マーケティング室・広報担当)と説明。従来はミセス~シルバー層の知名度が高く、今後はキャリア層などにもフォーマル専業の強みを訴求する。

 アンサンブルはカラーレス仕様で、オーセンティックなデザインになった。ワンピースもAラインを引く正統派のフォーマルウエアに仕上げた。スタンダードなデザインを軸にブランドイメージを確立させる。

 素材は、帝人フロンティアが開発したブラックフォーマル向けの素材「ブラックオン」を採用した。光沢感や濃染性、深色性に優れた素材で、イージーケア性も備えている。加工の工程を簡素化し、環境保全に配慮した素材でもあると言う。