ごえんぼう
2025年05月01日 (木曜日)
「経済は生き物」と言う学者がいる。確かにそうなのかもしれない。長期間にわたった円安基調が変わりつつある▼先月下旬、日米財務相会談を前に外国為替市場で1ドル140円台まで円高・ドル安が進行した。製造業の輸出を強化したい米国はドル安を容認する姿勢で、逆に日本では自動車など輸出関連株に売りが膨らんだ▼われわれは歴史の目撃者である。自由貿易から保護主義への転換を目の当たりにしている。あれだけ好調だった都心百貨店のインバウンド消費も頭打ちになった▼インバウンド頼みだった戦略も変わるのだろう。消費に旺盛な訪日客を優遇してきたことで、離反した日本人ユーザーは再び百貨店で買い物をするのか。百貨店の動きを注視する必要性がありそうだ。一方、輸入比率が高く円安で利益が圧迫されていた小売業の業績は回復する。日本にとって何が最適か。経済は得体のしれない、難解な生き物だ。