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アパレルメーカー/商社/成長の鍵握るECビジネス/新カテゴリーの開拓も

2025年05月01日 (木曜日)

 アパレルメーカーや商社が今期からスタートさせる中期経営計画では、電子商取引(EC)ビジネスの拡大が成長の鍵を握りそうだ。

 三陽商会は27年度に売上高700億円、営業利益50億円を目指す。旗艦ブランド「マッキントッシュロンドン」の再強化に加え、アフォーダブル・ラグジュアリー市場への注力を柱に据える。ECや雑貨・ペット用品など新カテゴリー展開も加速し、「10年後に売上高1千億円」(大江伸治社長)の長期目標を掲げた。

 アダストリアは、国内外でのEC拡大を軸に、連結売上高を25年2月期比36%増の4千億円に引き上げる。国内では公式通販サイト「アンドエスティ」をモール&メディアに育成し、GMV(流通総額)を1千億円へ拡大。他社ブランドの監修や協業による取引量拡大も図る。M&Aによる事業拡大を加速し、プラットフォーマーへの転換を目指す。

 タキヒヨーは、「PDCAサイクルを継続し高度化を図る」(滝一夫社長)として、ROIC(投下資本利益率)5%をKPI(重要業績評価指標)に設定するなど資本効率を重視。アパレル・テキスタイル卸の強化に加え、独自素材や小売事業、EC運営力の向上にも取り組む。

 クロスプラスは、小売事業でEC拡大を成長ドライバーに据え、ECで50億円の到達を狙う。自社ブランドの認知拡大とプラスサイズ、子供服、マタニティー分野の拡販を進める。

 イオングループのコックスは、EC売り上げ拡大と店舗改革を推進。公式アプリの強化やASEAN生産比率の引き上げにより、売上総利益率の改善も狙う。

 GSIクレオスは「初年度は良い意味で踊り場になる」(吉永直明社長)とし、グループ再編と子会社化したソアロンの基盤固めに注力。トリアセテート繊維「ソアロン」は「三菱ケミカルの繊維」から「ソアロンブランド」として国内外で拡販を図る。