ごえんぼう

2025年05月13日 (火曜日)

 日立システムズのホームページに、専門家によるコラムが掲載されている。その一つが「江戸時代の意外な話」で、第2回は「糞尿のリサイクル」だった▼人や動物の排せつ物は、古くから肥料として利用されてきた。諸説あるが、肥料として需要が拡大し、ふん尿に対価が発生するようになったのは1700年代。現在の貨幣価値で、江戸だけでも数億から十数億円の市場規模だったという▼排せつ物は、下水道資源に名前を変えて、現在も活用が進む。肥料化のほか、さまざまな取り組みが見られ、東京都港区の複合商業施設「麻布台ヒルズ」は、下水道管から回収した熱を利用する空調システムを採用している▼江戸時代は、かまどから灰を回収し、藍染め業者に販売されていた。今では火力発電所の石炭灰を原料とする繊維も登場している。未利用資源はまだまだあり、新たな活用法もあるはず。今後、何が生まれるのか、楽しみだ。