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明石スクールユニフォームカンパニー/今春も安定納品/制服リユースを本格化

2025年05月13日 (火曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニーは今春の入学商戦で、新規注文を早めるなど早期対応に動いたことで、安定的な生産、納品につなげられた。今期(2025年12月期)も引き続き新規校の獲得に力を入れる。また、今春から本格的にスタートさせたメーカー認定リユース制服の取り組みも広げる。

 今春の入学商戦では早期受注に加え、素材の手配なども計画立てて行えたことから、スムーズに生産、納品できた。性的少数者(LGBTQ)への配慮によって制服のブレザー化が進む中、モデルチェンジ(MC)校の獲得も前年並みで推移した。ただ、「生徒減に加え、制服のリユースの影響が顕著に表れ、獲得数は想定ほど伸びなかった」(河合秀文社長)とする。

 今期は引き続き新規校の獲得を強化する。原材料費などさまざまなコストが上がる中、進めてきた価格改定が「今期は数字として明確に表れてくる」とする。

 併せて力を入れるのが、メーカー認定リユース制服の展開だ。こちらは、提携する学校で制服を回収し、クリーニング、修繕、検品、仕上げを行った後、販売するもの。既に複数校で取り組みが進んでおり、一部では販売にもつながるなど「実績が出始めてきた」(柴田快三専務)。ケミカルリサイクルの仕組みも整えており、リユースの難しいものは再資源化する。

 今期は設備投資も実施する。今後発生が懸念される南海トラフ地震などを想定し、本社の営業本部、管理本部、商品開発部などを隣接する7階建ての物流倉庫へ移転させる。

 物流倉庫について、河合社長は「倉庫として作ったが、将来的に人が入ることを見越し、耐荷重などもしっかり考えて作っていた」と説明する。同社では今月から改装工事に取り掛かっており、来シーズンの移転を計画する。

 現本社は完成から65年ほどたつ。3棟の建物から構成されるが、正面玄関のある建物は解体し、残りの建物は耐震工事とリフォームを行った後、展示室などとして使う。