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クラレトレーディング/ハダニの発生を可視化/資材を開発、販売

2025年05月13日 (火曜日)

 クラレトレーディングはこのほど、目視が難しい農業害虫であるハダニの発生を可視化する資材「プルトラップ―9」を開発した。農作物の病害虫予防に不可欠な発生予察(病害虫の発生の程度と推移を予測すること)を容易にする。12日から販売を開始した。

 ハダニは全長0・3~0・5ミリと小さく、葉裏に寄生するため目視確認が難しい。近年、薬剤抵抗性の強いハダニも増加しており、化学農薬を用いない除去方法が求められていた。クラレトレーディングは東京農工大学大学院の鈴木丈詞教授らと共同研究に取り組み、プルトラップ―9を開発した。

 ハダニの挙動特性を利用した設計により、農地や鉢植えに設置するだけでフォーク状の粘着枝に登ってきたハダニを捕獲する。粘着枝を視認性の良い黄色にすることでハダニの発生や捕獲状況を目視で確認できる。薬剤を使用しないため、ハダニの薬剤抵抗性も促進しない。