25年3月期決算/帝人/日東紡/日清紡HD

2025年05月14日 (水曜日)

〈事業利益が拡大/帝人〉

 帝人の連結(IFRS)は、売上収益1兆54億円(前期比4・7%増)、事業利益275億円(25・7%増)、税引き前損失780億円(前期51億3800万円の損失)、純利益283億円(同117億円の損失)となり、事業利益で大幅な増益を果たした(短信既報)。

 繊維・製品事業は、売上収益3519億円(9・4%増)、事業利益178億円(37・5%増)。衣料繊維分野は、北米や中国向けの生地と衣料品の販売が順調に推移し、国内向けも衣料品の販売が好調だった。産業資材分野は、水処理フィルター向けのポリエステル短繊維などが好調に推移した。

 通期の業績予想は、売上高8600億円(14・5%減)、事業利益350億円(26・8%増)、純利益120億円(57・7%減)。

〈過去最高益を更新/日東紡〉

 日東紡の連結は、売上高1090億円(16・9%増)、営業利益164億円(96・1%増)、経常利益175億円(80・1%増)、純利益128億円(76・0%増)だった(短信既報)。人工知能(AI)サーバー向けのスペシャルガラスなどが順調に推移し、各段階で過去最高益を更新した。

 繊維が関連する資材・ケミカル事業は、売上高94億3100万円(3・5%増)、営業利益8億3900万円(1・8%増)で増収増益。原材料を中心にコストアップの影響を受けたが、値上げなどが寄与した。

 スペシャルガラスが順調だった電子材料事業は、営業利益が157・9%増の138億円に拡大した。

 今期の業績は、売上高1200億円(10・1%増)、営業利益170億円(3・4%増)、経常利益170億円(3・2%減)、純利益130億円(1・3%増)を予想している。

〈25年1~3月は大幅増益を達成/日清紡HD〉

 日清紡ホールディングス(HD)の2025年1~3月期連結決算は、売上高1511億円(前年同期比15・6%増)、営業利益212億円(161・3%増)、経常利益214億円(112・7%増)、純利益152億円(93・7%増)で大幅な増益を達成した(短信既報)。無線・通信事業の拡大がけん引した。

 繊維事業は、売上高79億5800万円(11・3%減)、営業損失8300万円(前年同期1億6100万円の損失)で、減収ながら赤字幅は縮小した。ユニフォーム事業は企業別注品の受注増加で増収。シャツ事業は減収だった。

 通期の業績は、売上高5060億円(2・3%増)、営業利益197億円(18・8%減)、経常利益216億円(11・5%減)、純利益183億円(78・1%増)を予想している。