第26回中国江蘇省輸出商品展示会/20~22日、マイドームおおさかで開催
2025年05月14日 (水曜日)
「第26回中国江蘇省輸出商品展示会」が20~22日、マイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれる。江蘇省商務庁が主催し、日中経済貿易センターなどが共催。
全226ブース。これまでの日用品・ギフト、ホームファブリック、アパレル、靴・帽子、アウトドア用品、ペット用品に加え、今回から小型家電、新エネルギー応用製品も加わった。
同展は1995年の初開催以来、これまで25回の開催実績を持つ。江蘇省から日本市場に適した企業を厳選し、高品質で革新的なデザイン、高い技術力を生かした製品を集めた。
江蘇省の2024年のGDPは約1・9兆ドルで、中国国内2位で、全国の約10%を占める。輸出入総額は7894億ドルで全国の12・8%に当たり22年連続で国内2位を維持。対日貿易総額は539・6億ドルでそのうち輸出が284・7億ドル、輸入が254・9億ドル。特にホームファブリックやアパレル、アウトドア用品、靴、帽子、ギフトなど日本市場向けの重要なサプライヤーとなっている。今期展の注目出展企業を紹介する。
〈南京東沛国際貿易集団/ウール・シルク使いのふとん〉
1978年創業の総合商社で機械、電機、船舶、医薬、医療、化学工業、金物、繊維などの領域をカバーする。世界80以上の国と地域の顧客と取引している。
繊維関連は、ホームテキスタイルに注力。自社ブランド「FINER」(フィナー)の製品は、欧州、南米、韓国、タイ、アラブ首長国連邦などで一定の知名度を獲得。近年は、夏の長期化に対応した涼感生地使いのふとんの販売に力を入れている。今年は各国の展示会で同製品をアピールする考えだ。
欧米市場が振るわない中、日本市場の開拓に重心を置く。今年は、展示会出展による知名度向上と、ネット通販での販売に取り組んでいく。
初出展の今回は、綿、シルク、ウールをそれぞれ使った天然繊維シリーズのふとんをアピールする。中でもシルクとウールの混合素材を使って保温性と、肌への親和性を高めた新製品の訴求に力を入れる。
〈南京鹿特斯国際貿易/マスクとスポーツケア用品〉
2012年に設立されたマスクなどを取り扱う貿易会社。主力アイテムは、医療用マスク、隔離服、防護服、立体マスク、涼感マスク。近年は、運動による障害や疼痛を治療するキネシオロジー(人間運動機能学)に基づいたキネシオテープなどのスポーツケア用品にも注力している。
輸出に特化している。仕向け地は米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、チェコ、日本、韓国、インドネシア、ベトナム、アラブ首長国連邦。
09年から開拓に取り組む日本市場向けは、マスクに特化している。近年の対日業績は安定している。今回展では、不織布を使った各種マスクやスポーツケア用品をアピールする。
〈南京宝恩進出口貿易/多機能リュックサック〉
2011年創業のバッグ専門の貿易会社。取り扱いアイテムは、リュックサックとレディースバッグ、財布、化粧バッグ。浙江・江蘇の両省の協力工場で生産している。ミニマムロットは300点。日本向け専業で日本企業の取引習慣や日本市場のニーズを熟知している。顧客の要望に基づいたカスタマイズにも迅速に対応できる。
近年の年間取扱高は200万ドル超。顧客がIP(知的財産権)ライセンスを持つキャラクター物の取り扱いが増えている。
2回目となる今回展では、ポリエステルやポリウレタンを使った多機能リュックサックや手提げかばんを訴求する。
〈宜興市至正陶瓷/絵付け強みの日用陶磁器〉
2014年創業の日用陶磁器メーカー。30~40万枚の月産能力を持つ。バリエーション豊かな装飾や手書きによる絵付けが強みと自負。輸出と中国内販の双方を手掛ける。輸出の市場別売り上げ構成比率は米国20%、欧州50%、日本5%、その他25%だ。
日本向けの売り上げ規模は現状、それほど大きくないものの、今回の出展を機に拡大したい考えだ。今後、日本市場向け商品の開発にも取り組んでいく。
初出展の今回は、各種陶磁器を出展する。釉(うわぐすり)や手描き絵柄をアピールする。
〈福挺科技〈無錫〉/サステ追求したニット糸〉
2012年創業のニット糸メーカー。編み物製衣類向けの綿糸とウール糸、ファンシーヤーンの研究・開発、生産、輸出に従事している。月産能力は綿・ウール糸が計1千トン、ファンシーヤーンが約500トン。輸出専業で欧州とアジア向けが多い。サステイナブルを経営方針とし、BCI、GRS、GOTS、Oeko―Texなどの国際認証を取得している。
高品質とクイックレスポンスに注力することで、日本向けを近年伸ばしている。展示会出展などをこれから積極化し、深耕する考えだ。
初出展の今回は、ペーパーヤーンやレーヨンと竹繊維の混紡糸使いなどのサステを追求した糸を打ち出す。春夏向けは肌に優しく、速乾性の高い素材、秋冬向けは手触りが柔らかく、保温性の高い素材使いを提案する。
〈江蘇万威紡織科技/機能性レッグウエア〉
2015年創業の貿易会社。レッグウエアから帽子、スリッパ、レギンス、手袋まで幅広い編み物製品を取り扱う。生産は、浙江省と江蘇省の協力工場。開発から生産、出荷まで自社で一貫して手掛けていることが強み。
取扱高の仕向け地別構成品は米国55%、ロシア10%、カナダ5%、ドイツ20%、オランダ10%。主な顧客は米大手流通だ。
ここ数年の業績は安定。日本向けは展示会出展を増やすなどし、日本市場への理解を深めながら新規顧客の開拓を図る。抗菌・防臭、吸湿速乾など、日本の消費者ニーズに合わせた機能性商品を開発する。
初出展の今回は、綿使いのレッグウエアを中心に訴求する。春夏向けの素材は、リサイクルコットンとリサイクルポリエステル、竹繊維を組み合わせた抗菌糸使い。秋冬向けはウールとアンゴラ、リサイクルポリエステルの混紡糸使いを打ち出す。
〈南京山麗服飾/北米向け主力の帽子メーカー〉
2016年に設立された帽子の貿易会社。ベースボールキャップからフィッシャーマンキャップ、ニット帽、ストローハット、フェルトハットなどを取り扱う。
最新デザインの製品を取りそろえていることや、品質が高いこと、納期厳守していることが強みと自負する。輸出に特化しており、米国とカナダ、豪州向けが主力。江蘇省南京の自社工場の月産能力は約5万個。広東や浙江、江蘇、安徽、山東などの協力工場も活用している。
初出展の今回は、綿やポリエステル素材のベースボールキャップ、フィッシャーマンキャップ、フェルトハットなど紹介する。今回展を機に、日本のアパレル雑貨の商社などのパートナーを開拓し、商品の共同開発を進めたい考えだ。
〈昆山双霞塑料/日本向けの保冷袋メーカー〉
2004年設立のポリエチレン(PE)使いの保冷袋やジッパー付きポリバッグの専業メーカー。自社工場を上海に隣接する江蘇省昆山に置き、輸出向けを主に生産している。6割が日本向けだ。日本向け輸出に20年近く従事している。保冷袋の月産能力は約150トン。
近年の業績は健闘している。日本向けの8割は商社経由で、直貿が少ないことを課題としている。今後5年で、直貿の顧客を増やしていく考えだ。
2回目の出展となる今回は、メイン商材の保冷袋を出展する。開発スピードの速さや、価格競争力などメーカーとしての強みをアピールする。
〈蘇州雲鵠瑶光進出口/什器や収納家具のメーカー〉
2018年に設立された貿易一貫の什器(じゅうき)メーカー。スーパーのショッピングカートや什器、家庭用収納家具などをスプレー塗装一貫で生産する。工場の建物面積は約3万平方メートル。米国NSF認証を取得している。
大部分が米国向けで、中国内販とカナダ、チリ、フランス、英国向けも一部手掛けている。業績は近年、成長を続けている。年間売上高は1・5億元程度。
今回展を機に、日本向けの開拓に乗り出す。日本のスーパーや家庭用収納家具のニーズをリサーチし、日本メーカーと価格や機能面で差別化し、市場開拓を進める。
初出展の今回は、組み立てが簡単な家庭用収納家具を前面に打ち出す。工具を使わず組み立てができることや、カスタマイズができることを紹介する。
〈邁ソウ〈張家港〉運動用品/オーダーメードのチームウエア〉
2021年に設立された編み物製衣類のメーカー。日本向けに特化している。年産能力は3万着。透湿、吸水速乾の生地使いを得意とする。
学校や社会人向けのチームウエアが多く、オーダーメードに1着から対応。昇華転写プリントなどの後加工も自社工場で行う。日本に子会社を設け、直営店を運営し、消費者に直販していく構想を持つ。
初出展の今回は、バスケットボールやバレーボールのユニフォームを出展する。さまざまな色に対応し、4枚からオーダーメードに対応していることをアピールする。