東レ/繊維売上収益1兆円超え/関税影響は150億円減益見込む

2025年05月15日 (木曜日)

 東レの2025年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益2兆5632億円(前期比4・0%増)、事業利益1427億円(39・1%増)、税引前利益1142億円(91・9%増)、純利益779億円(255・8%増)と増収・大幅増益となった。繊維事業は売上収益が初めて1兆円を超えた。一方、26年3月期業績予想で米国の関税措置の影響として事業利益150億円の減少を織り込む。

 繊維事業は売上収益1兆110億円(3・7%増)、事業利益641億円(17・3%増)となった。衣料用途が総じて堅調に推移し、収益をリードした。産業用途は自動車関連用途が本格回復にまで至らなかった。海外子会社は東南アジアと中国が増収増益となり、韓国も赤字が減少した。赤字・低採算事業の構造改革も成果を上げている。

 炭素繊維複合材料事業は売上収益2999億円(3・3%増)、事業収益225億円(70・7%増)だった。航空宇宙用途が順調に回復し、一般産業用途も風力発電翼向けが緩やかに回復している。

 今期は連結売上収益2兆6700億円(4・2%増)、事業利益1500億円(5・1%増)、純利益820億円(5・2%増)を見込む。米国の関税措置による影響として売上収益400億円、事業利益150億円の減少をそれぞれ織り込んだ。