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ユニフォーム/25秋冬商戦始まる/商談が熱を帯びる

2025年05月15日 (木曜日)

 ユニフォームの25秋冬新商品展示会「わくワーク北海道フェスタ2025」が13、14日、アクセスサッポロ(札幌市)で開かれた。全17ブース、20社が出展し、25秋冬商戦が始まった。暖冬の影響で低調となる秋冬商戦を活発化させようとメーカーと販売店の商談は熱を帯びた。

 今回も各社が動向を案じるのは、価格情勢。ここ数年断続的に続いた価格上昇が市場に与える影響を懸念する声があるものの、原燃料の高騰は続き、対応を決めかねるメーカーも少なくない。

 これに対して一部メーカーが価格訴求型のラインアップを選択肢の一つとして提供した。アタックベース(広島県福山市)が、制電と高耐久、伸縮性を備えたセットアップを披露したほか、イーブンリバー(同)もポリエステル100%のセットアップを開発。ビッグボーン商事(同)も26年に向けて売れ筋セットアップを刷新し価格訴求商品をラインアップに加える予定だ。

 常態化する暖冬への対策として、秋から春の3シーズン着用できる製品で需要の活性化を狙う。シンメン(広島県府中市)は、アウターとミドラーの中間となる上着を開発。中綿ではなく起毛裏地で熱を遮断するデッドエアーを確保する。クロダルマ(同)も淡い色合の軽量アウターを発表した。通年需要がある難燃素材を訴求したのは村上被服(同)。セットアップやインナー、帽子などフルアイテムを難燃でそろえられるほか、中綿やファスナーまで難燃素材を使った防寒も追加した。

 ショップ向けで、スポーツやアウトドアテイストに変わる新たな潮流となりつつあるのが、古着テイストを取り入れたアメカジスタイルだ。今回初披露となったクロダルマの「アヴィレックスワーク」、サンエス(福山市)がリブランディングした「リアクター」、桑和(岡山県倉敷市)の「ダンディーダッド」、山田辰(大阪市城東区)の「エドウイン」が挙げられる。

 企業納入向けで必須となる環境配慮型ユニフォームは、今回も各社がさまざまな新商品を発表した。アイトス(大阪市中央区)は、「易リサイクル設計」のアイテムを発表。ファスナーなどの服飾資材を取り外さなくてもマテリアルリサイクルを可能にした。Asahicho(広島県府中市)は、環境配慮型素材の「エコディア」と伸縮素材「ライトフィックス」を採用した新作をお披露目した。日の丸繊維(岐阜県大垣市)は、環境配慮型染色加工工場であるクラボウ徳島工場で作られた「ウルトラツイル」を採用したツナギ服を着用してアピールした。

 秋冬でも〝軽さ〟が鍵になりそうだ。TSデザイン(福山市)は、「エコグログラン」シリーズで、かさ高性と肌離れの良さを備えるドライストレッチ生地で快適な着心地を実現する。アイトスは、「ストレッチピケ」シリーズで、2重織調の平織生地で厚みを持たせながらも軽量化を図った。サンエスは、コアヤーンを使ったポリエステル高混率生地で軽さと綿ライクな素材感を実現。フッ素不使用の吸水防汚加工も施した。