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伊藤忠 繊維C/各子会社で収益改善図る/純利益380億円へ

2025年05月16日 (金曜日)

 伊藤忠商事の繊維カンパニーは今期(2026年3月期)の純利益目標を380億円に設定し、そのため完全子会社化したデサントのブランド価値向上や前期連結ベースで唯一赤字だったドームの黒字浮上、エドウインなどアパレル子会社の収益改善に取り組む。

 武内秀人執行役員繊維カンパニープレジデントは前期の振り返りとして、過去最高となる738億円の純利益を計上できたが、これはデサントTOBによる特別益約500億円によるものと説明。その上で今期は前々期の270億円を大きく上回る380億円の純利益目標を掲げる。

 その鍵を握るのは、完全子会社化したデサントのさらなる成長。卸中心から直営への転換を推し進め、ブランド価値の向上も同時並行で進める。デサントへの出向者も完全子会社化前から増強した。

 前期に減損約30億円を計上した「アンダーアーマー」のドームは今期の黒字浮上を狙い、卸比率の引き下げや外部人材の活用、商品力強化に改めて努める。

 レリアン、ジョイックス・コーポレーション、エドウインなどアパレル子会社の収益改善にも取り組む。価格改定や付加価値化、販売管理費の抑制などで売上総利益率の改善に注力するとともに、外部人材の積極登用を進め、低重心経営を徹底する。

 その他、シューズ事業や中高級品分野の開拓、海外事業の拡大などを必須とする。

 M&A(企業の合併・買収)については、有力案件があれば考えていくが、現在の経営資源の活用・磨き上げが優先と強調した。

 今期の純利益目標380億円の先には400億円を、将来的には500億円をうかがう。

 25年3月期の基礎収益は283億円で、23年3月期の230億円、24年3月期の270億円から着実に成長している。今期はピークである18年3月期の308億円並みを見込む。