LIVING-BIZ vol.118(10)/ビックカメラ/サンコウ電子研究所/イケア・ジャパン/ドイツメッセ

2025年05月16日 (金曜日)

〈ビックカメラ/睡眠をトータルケア/家電×寝具でワンストップ提案〉

 昨年10月、ビックカメラ新宿西口店に開設された眠りの専門コーナー「Bic Sleep Well」が好評だ。グループのうもう布団専門店「生毛(うもう)工房」が扱う寝具・インテリアから、健康・美容家電、ドラッグ用品、フィットネス用品まで睡眠関連商品を集結。家電と寝具を融合し、睡眠をトータルにケアする。

 生毛工房代表取締役社長兼ビックカメラ商品部SLEEPディビジョンリーダーの滝口昌雄氏は、「日本人の睡眠時間は世界的にも短く、社会課題となっている。30年以上寝具を扱うビックカメラグループならではの商品の垣根を越えた提案で、お客さまの悩みに寄り添い、サポートしていく」と話す。

 従来の生毛工房より約2・5倍広い100平方㍍ほどの売り場に、寝具5割、家電4割、その他1割で品ぞろえ。サービスではオーダーメード掛けふとん、カーテン出張見積もりに加え、S,UIMIN(スイミン)、アクセルスターズの睡眠計測機器レンタルの紹介も始めた。

 改装を機に、ネット販売主体で人気の高機能マットレス、枕を拡充。19台あるベッドで気軽に寝比べられる。ストレートネックの人向けの健康機器なども試せる。試着できる豊富なリカバリーウエアも好評だ。スマートフォンを長時間使う若者ほどストレートネックが多く、ネット主体の寝具ブランドの認知度も高いことから、改装後は20代を含む幅広い世代を集客。春先に行った、加盟する睡眠コミュニティー「ザコネ」とのAIイベントも若者に響いた。

 販売員には、スイミンの睡眠アカデミー受講を推進し、専門知識・スキルの向上にも力を注ぐ。「専門資格を持つ販売員が悩みや好みを聞き、適切な商品・サービスをワンストップで提案できる」強みが信頼感につながり、売上高、客単価とも想定以上に増えた。

 今後、ビックカメラ各店と協議し、Bic Sleep Wellの展開拡大を検討していく。

〈サンコウ電子研究所/ノイズに強い検針機好評/寝具や敷物などにも〉

 サンコウ電子研究所(川崎市)は、コンベア式検針機「APA―6900W」の拡販に力を注いでいる。電波や電磁波など工場で発生するノイズの影響を受けにくい特徴を訴求し、国内外で多様な需要の掘り起こしを図る。

 同社は電子応用特殊機器、工業計器の研究開発や製造販売を手掛ける。中でも繊維品に混入した微小な折れ針や鉄片を探知する機器を得意としており、アパレルはもちろん、寝具やカーペットなど幅広くカバーする。

 折れ針の検知を主用途とする「APA―6900」シリーズは、工場で発生するノイズの影響を大幅にカットする検知部を搭載し、誤作動の防止を図った。設置場所をほぼ選ばないという強みがあり、ベルトによる搬送速度を従来機より速め、作業効率も向上させた。

 最新のAPA―6900Wは、二つの探知部をハの字形に配置する「ツインヘッド」を採用した。シングルヘッドが針の方向を変えて2回検針するのと同等の効果をもたらす。

 2024年7月期のコンベア式検針機群の売り上げは対前年比167%と大幅に伸びた。東南アジアなど海外での販売が業績をけん引し、国内需要も堅調に推移していると言う。

 今後も多様な分野で需要が潜在するとみて、APA―6900Wなどの導入メリットを発信していく。

〈イケア・ジャパン/“ジャパンディ”提案/3Dショールームも〉

 イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は一部を除くイケア店舗で、北欧デザインと日本の文化が融合した「ジャパンディ」スタイルのルームセットを新提案した。公式のホームページやインスタグラムでも発信するとともに、さまざまなアクティビティーを行う。

 ジャパンディスタイルが世界中で人気となる中、手頃な価格、取り入れやすいアイデアで展開している。

 スタイリングを体感できるルームセットでは、ジャパンディのリビング、ダイニング、寝室を展示。「自然素材とシンプルなデザインの調和」「穏やかな色合いで作る洗練された空間」「余白を作り出すローアングルの家具」など、六つのポイントで訴求する。

 人工知能(AI)を活用したデジタルホームデザインツール「イケア クリアティーヴ」では、追加した同スタイルの3Dショールームと、生活者自身の部屋をスキャンしたデジタル空間で、好みのジャパンディスタイルがシミュレーションできる。

〈ドイツメッセ/新生「ドモテックス」/床材+内装仕上げへ〉

 世界的な床材見本市「ドモテックス」が2026年以降、“床材と内装仕上げの展示会”として新たなスタートを切る。六つの新製品カテゴリーを加え、床材から壁や天井の内装材まで網羅。インテリア内装業界のニーズに包括的に応える。

 「セラミックタイル」「壁・天井材」「塗料・コーティング剤」「壁紙」「屋外用床材」「日除け・遮光製品」を追加し出展対象領域を拡大。主催者のドイツメッセは、「市場の進化する需要に応え、DNAである床材との相乗効果を生み出す。小売業者やトレーダー、職人、建築家など全関係者にワンストップな展示会とする」としている。

 特別展示も充実。持続可能な素材に焦点を当てた「グリーン・コレクション」に加え、室内音響のソリューションを紹介する「音響特別展」を新設するほか、壁紙やセラミックタイル、建築家向け、DIY向けなどのコーナーも展開する。

 リニューアル初回は26年1月19~22日に、ドイツのハノーバー見本市会場で開かれる。以降、これまでの年1回開催から2年に1回の隔年開催に変更し継続していく。