TTS 閉幕/来場者総数伸びる見込み/具体的な商談に手応え
2025年05月19日 (月曜日)
新総合素材展「Tokyo Textile Scope」(東京テキスタイルスコープ、TTS)が16日、3日間の会期を終えて閉幕した。事務局によると2日目を終えた時点の来場者数は昨年の「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」(PTJ)の約8割で、会期が2日から3日に延長されたため分散する傾向は見られたものの、総数は上回る見込みだ。
主催者の日本ファッション・ウィーク(JFW)推進機構・古茂田博事務局長によれば、生地の人気投票企画「ワッツ ネクスト テキスタイル」の投票数は2日目を終えた時点でPTJのそれを上回った。
出展者からは、「来場者はやや少ない印象だが、具体的に絞り込んで生地を探している人や、しっかりと商品を見に来てくれている人が多い」(高島晒協業組合など)との評価が聞かれた。カイハラは「先日発表したばかりの『バイオインディゴ』を目当てに当社ブースを訪れる人が多くて驚いた」と話す。
中国ブランドなど海外からのバイヤーも多いもようで、「海外バイヤーからは派手な色柄の先染めや箔(はく)加工の人気が高かった」(滋賀麻工業)、「海外からの来場者は輸出拡大を狙う上で非常にありがたい」(小松和テキスタイル)などの声が上がった。
〈初回祝しレセプション〉
TTSは会期初日の14日、初開催を祝してオープニングレセプションを開いた。主催者のJFWOや関係者が登壇してあいさつしたほか、過去4回実施した生地の人気投票企画「ワッツ ネクスト テキスタイル」の表彰式を行った。関係者ら300人超が集まった。
JFWOの古茂田博事務局長は冒頭あいさつで、「日本の繊維産業は多彩、多様で高品質なモノ作りができ、伝統を保ちながら新たな挑戦も続けている。TTSではこれからも機能的で美しく、世界から愛されるテキスタイルを発信していく」と述べた。
続いてJFWOの下地毅理事長、東レの大矢光雄社長、宇仁繊維の宇仁龍一会長、オンワードホールディングスの保元道宣社長、エイガールズの山下雅生会長らがあいさつした。宇仁会長は、「総合展には新規顧客と出会える、開発商品の評価を聞ける、他社の商品が見られる、社員のスキルが向上するという四つの利点がある。展示会のおかげで今の当社がある」とTTSやその前身のJFWジャパン・クリエーション(JFW―JC)、プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)の存在意義を高く評価した。
過去4回のPTJ来場者による人気投票企画で1位を獲得したワッツ・ネクスト テキスタイル表彰式では、第1回の宇仁繊維、第2回のサンコロナ小田、第3回の東レ、第4回のサンコロナ小田がそれぞれ改めて表彰された。