帝人フロンティア/新質感ポリエステル開発/天然ライクな外観に機能
2025年05月21日 (水曜日)
帝人フロンティアは、新質感の高機能ポリエステル「シフォラ」を開発した。ランダムな太さを持つ四つ山扁平(へんぺい)断面糸を用いており、天然繊維のような外観や風合いと機能性を両立した。26春夏物で市場投入を開始し、2025年度に1万5千㍍、27年度に25万㍍の販売を目指す。
新製品は、特殊異形断面紡糸技術と特殊むら延伸技術の融合で開発した。長さ方向と断面方向のそれぞれに太い部分と細い部分が単糸レベルでランダムに存在する原糸を作った。太さの程度は不均一で、フィラメント間の太部の相互位置も不ぞろいにしている。
この原糸を織・編み構造体設計技術や染色・後加工技術を用いて生地に仕上げ、天然繊維に近似した緻密で自然な質感を付与する。特殊四つ山扁平断面糸の特徴を生かすことで吸汗速乾性、接触冷感性、べたつき防止、防透性、UVカットなどの機能を発現する。
リサイクルポリエステルを使用するなど、環境にも配慮した。日本とタイ、中国の3拠点で生産(原糸はタイ)する。
Tシャツやプルオーバー、カジュアルパンツ、シャツ・ブラウスなど幅広い用途で訴求する。ファッション・カジュアル用途で提案を開始するが、その後はスポーツをはじめとする全用途に展開を広げる。
新製品は、23日まで同社東京支社で開催している「2026春夏衣料展」で紹介している。同展ではシフォラのほか、高機能快適ポリエステル「爽多」、UVカット機能を持つ「ウェーブロンUP」、撥水(はっすい)の「ミノテック」なども併せて展示している。