ごえんぼう

2025年05月22日 (木曜日)

 ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は、デジタルクローンのモデルを年内にも起用する。架空の人工知能(AI)モデルではなく、リアルな人間と連携したクローンになる▼モデル本人との権利関係をクリアにし、責任ある使用法に限定する。クローンが広がればモデルは多くのブランドと仕事ができ、対価も得られる。長時間労働も避けられるだろう。一方、契約内容によっては肖像権や従来のルールが歪められてしまう。既に欧米では反対論が噴出している▼デジタル上で作成、修正が可能になればヘアーやメーク、スタイリストなどの仕事は減る。ファッションデザイナーの役割も劇的に変わるかもしれない▼AIインフルエンサーも主流になりつつある。生成AIが格段に進歩し、使いこなす企業側も習熟度を高めてきた。クローンが生み出す新世界に興味は尽きないが、ファッション界にとって最善を探る必要がある。