丸佐 機能生かして存在感
2025年05月23日 (金曜日)
東レグループの丸佐(岐阜市)は、繊維専門商社の機能を生かした提案で存在感を高める。
高付加価値商品の打ち出しに加え、国産のノウハウと海外生産の融合によって、価値のある生地・製品を短い納期、少ないロットで顧客に届けることを可能にした。このほど東京都内で開いた展示商談会で紹介した。
21、22日に開いた展示商談会のテーマは「Timeless&Next」。「TimeLess」コーナーは、トレンドや環境が変化しても選ばれ続けてきた定番商品を提案し、綿タッチを目指した「トランスコット」、ポリエステル・レーヨン複合の「レイラント」、ウール調合繊「ウーリッツ」を展示した。
トランスコットは、フルダルと異形断面糸、ポリエステル短繊維を組み合わせており、UVカットや防シワ、防縮といった機能を持つ。今回は中国で一貫生産したトランスコットを初めて提案し、コストメリットや納期対応などを顧客に訴求した。
ウーリッツは「尾州産地のポリエステル・ウール生地のノウハウを取り入れた上で、中国と台湾で生産した」素材だ。フルダルタイプなど、糸のバリエーションも増え、ウールのような表情と膨らみ感に加え、ウオッシャブル性や吸水速乾性といった機能も兼ね備える。
「Next」コーナーでは、未来のスタンダードとなる可能性を持つ次世代生地を打ち出した。活用している素材は紙糸、カポック、絡み織、シアー系生地など。紙糸は綿や「テンセル」リヨセルと組み合わせることで同社の主力である婦人分野に求められるソフト風合いを付与した。
カポックは、これまで綿混紡の20番、30番が中心だったが。40番の生産を可能にし、提案の幅が広がった。絡み織は、国内でも生産できる織物工場が限定されるが、同社は中国でモノ作りを行う。プリントを施して透け感を抑える効果を付与しているほか、杢(もく)調を表現した生地も並べた。
サステイナブル素材を紹介するコーナーでは、美濃和紙と「テンセル」モダールを複合した「シフレ」、生分解性ポリエステル繊維「セリス」を使った生地、海洋生分解性が付与されたポリエステルやナイロンを使った生地を訴求した。