UAゼンセン繊維シンポ/挑戦こそ価値生み出す/福井経編興業、シキボウなど参加
2025年05月26日 (月曜日)
全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)は22日、大阪で「2025繊維産業シンポジウム」を開いた。「挑戦する繊維産業・技術と創造力で生み出す新たな価値」をテーマに、基調講演や、パネリスト報告が行われた。
基調講演では、福井経編興業(福井市)の髙木義秀社長が「衣料から医療への挑戦・下町ロケット2」をテーマに登壇。心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の開発背景や、小説「下町ロケット」の作者である池井戸潤氏と手術を見学したエピソードなど、取り組みを紹介した。
パネリストからは、シキボウの中条洋子繊維部門戦略素材企画推進室長が「女性活躍推進とフェムテック~フェムテック素材が拓くウェルビーイングな未来へ~」について報告したほか、兵庫県西脇市の塚口貴博商工観光課長の「西脇のブランド化に向けた取り組み」の紹介などがあった。
髙木氏とパネリストによるディスカッションでは、繊維産業の未来について議論を展開。特に、製品に付加価値を付けて市場で競争していくためには、産地を超えた横断的な連携が不可欠であるとの認識で一致した。中条氏は「連携において最も大切なのはコミュニケーション、本音で話し合える関係が求められる」と強調。髙木氏は「知恵を出し合って連携すれば、日本の繊維産業はさらに盛り上がる」と連携強化に期待を寄せた。