小塚毛織とスタイレム 共同出資で新織布会社
2025年05月27日 (火曜日)
尾州産地の服地製造卸、小塚毛織(愛知県一宮市)は国内服地販売最大手のスタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)と共同で、合弁会社Canale Japan(愛知県一宮市、カナーレジャパン)を設立し、7月1日から事業を始める。
シャトル織機でファンシーツイードを企画生産し海外販売を狙う。
新会社は小塚毛織の敷地内にあり、資本金は1千万円。出資比率は小塚毛織が60%、スタイレム瀧定大阪が40%。社長には小塚毛織の小塚康弘社長が就いた。小塚毛織から20~30代の社員3人と80代のパート社員2人、スタイレム瀧定大阪から1人がそれぞれ出向する。
小塚毛織が持つシャトル織機での生産機能を合弁会社に移管する。廃業する他の織布工場からシャトル織機4台を譲り受け、小塚毛織が保有する織機と合わせて計9台体制とする。ワインダーや管巻き機などの設備も設置する。
主な生産品目はファンシーツイードで、小塚毛織と業務提携するカナーレ(愛知県一宮市)の足立聖社長の技術を生かす。販売は小塚毛織とスタイレム瀧定大阪のみとし、小塚毛織が国内向け、スタイレム瀧定大阪が新規国内向けと海外向けを受け持つ。将来的には受託生産も手掛ける。
最大の狙いは海外販路の拡大。小塚毛織単独では人手も限られ、販路を広げるには時間やコストがかかる。既存の販売網を活用した方が早いと考え、17の海外拠点を持ち、海外市場向け生地販売を拡大し続けるスタイレム瀧定大阪との新会社設立に至った。
日本からシャトル織機によるモノ作りが失われつつあるという危機感が新会社設立の背景の一つ。小塚毛織に在籍する職人も高齢化が進行している。技術継承するには若手人材を増やす必要がある。販売網を広げることで売り上げを確保し、会社の規模を拡大していく必要があった。
小塚社長は「事業継承するには何が必要かを考えたときに行き着いた答えが合弁会社設立だった。足立さんの技術を生かしたモノ作りを続けていきたい」と語る。足立社長は「シャトル織機のモノ作りができる若い人が増えれば、産地としても継続していけるのでは」と期待を込める。
スタイレム、モノ作り投資の狙い
スタイレム瀧定大阪は長年、「当社は商社であり、モノ作りへの直接的な投資は考えていない」とのスタンスを崩さなかった。しかし近年は「モノ作りへの投資の可能性も否定しない」と方針転換を示唆していた。今回の投資の狙いと今後の方針を聞いた。
「以前からカナーレを通じて小塚毛織さんとの取引はあった。当社が海外販売拡大を志向する中で日本のモノ作りの存続は必須条件。理念も共有できたため、今回の新会社設立に至った」。
運営については「中古のシャトル織機を順次購入・追加し、一定の規模感を目指す。人材の採用と育成にも力を注ぐ」とする。
今後のモノ作りへの投資については「必要に応じて実施していく。優れたモノ作りを続けている産地企業とどう連携するのかは以前から当社の課題だった。今回の新会社設立はその一歩」とコメントした。





