ユニフォーム・アウトドアメーカー/ペット市場に独自性で存在感/本業のノウハウ生かす
2025年05月27日 (火曜日)
1兆9千億円を超えるとされる国内ペットビジネス市場。誕生からペットロスまであらゆるサービスがそろい、アパレル関連商品もその一角を占めている。独自の切り口で参入しているユニフォーム、アウトドアメーカーにとっては、比較的安定成長を見通せることから注力分野の一つにもなっている。(甘利昌史)
先月、東京ビッグサイトで開催されたペットの総合展示会「インターペット」は多くの人でにぎわった。会期中来場者数は過去最多の約7万8千人。出展社もカナダ、韓国、中国の海外勢を含め980社に達し、世界的なペットブームの盛り上がりを感じさせた。
主催のペットフード協会がまとめた国内の犬猫飼育数は猫915万匹、犬680万匹。ユニフォーム、アウトドアメーカーにとっては少子化による人向け市場の縮小を補うという点で、潜在需要を含めて期待できる規模でもある。
学生服、ユニフォーム製造卸のトンボ(岡山市)は、少子化対策の一環として2014年にペット事業を立ち上げた。制服の縫製技術を取り入れるなど人向けと同等品質の製品を展開する。
このほど発売した小型犬向けのリラックスウエア「ララ リラックス」は体育着の糸の研究を進める過程で製品化に至った。セラミックを練り込んだ独自素材が体から発する遠赤外線を放射することで温かさを持続。小型の室内犬に多い冷房や床冷えに対する悩みを解決する。
警備服、ソフトワークウエア製造卸のベスト(東京都文京区)は昨年、事業の第3の柱を構築すべく「ムニノ」ブランドでペット市場に参入した。ユニフォーム製造のノウハウを生かし、再生ポリエステル62%使用の透湿撥水(はっすい)機能付きトリマー向けエプロン、サロンエプロンは、毛が付きにくく実用的な大きめポケットが特徴。
ペットロスに応えるラインアップでは、火葬の際に一緒に燃焼可能な綿100%のおくるみと、とうのバスケット棺、消臭剤などのケアアイテムをまとめたお見送りセットなどをネット通販している。
モンベルは、スタッフが愛犬との山登りで苦労したことをきっかけに、人向けと同じ素材、機能を取り入れ、利便性を高めたドッグギア、ウエア開発を02年から行っている。アパレルの人気アイテムの一つでもある犬用シャツは、速乾性と通気性に優れた独自素材を採用し、背中に同社キャラクターをプリントしたデザイン。リブ編みにすることでよく伸びて着せやすく、汚れ防止や抜け毛の抑制にもなる。雨や泥から愛犬を守るフルレインスーツも梅雨時期に向けて需要が高まる商品だ。
スノーピークは、ペットと快適に楽しむアウトドアをテーマに06年からリード、カラー、コット、アパレルなどのドッグ用品の開発を行っている。アパレルではシンプルなロゴTシャツとパーカが人気。リードホールを備えるパーカは、防蚊加工としてマイクロカプセルに防虫成分を閉じ込めた生地を採用。成分をゆっくり放出し虫除け効果を発揮する。