TMTマシナリー ATF-G1を初受注
2025年05月30日 (金曜日)
合繊用機械製造のTMTマシナリー(大阪市中央区)の前期(2025年3月期)は、その前の期が好調だった反動で減収減益だったが、大きな落ち込みなく計画通りになった。新機種の提案も進み、日本ではピン仮撚り機の新たな提案も始まった。
前期も引き続き中国向けが柱で、受注、販売とも全体の90%弱を占めた。期の初めは受注が厳しくなるとみていたが、ワインダーでのナイロン用の拡大などでカバーした。
システムへの不正アクセス被害もあったが、手作業での対応で納期や業績への影響は軽微にとどめた。昨年秋からは新しい基幹システムの運用を始めており、現在は工場の受発注関連の切り替えを進めている。今年中の完全切り替えを予定する。
新機種の提案も進んだ。23年秋のITMAアジアで初披露した仮撚り機の最新機種「ATF―G1」は、韓国企業で初受注し、来月に出荷が始まる。その企業がバングラデシュに持つ織布工場での導入で、更新ではなくDTY内製化に新たに仮撚り機を導入したもの。ATF―G1は、「ATF―1500」の後継機で、高生産性などが特徴。
日本市場ではピン仮撚り機の新機種を投入する計画で、今月から石山工場(滋賀県大津市)で内覧会を実施している。高さを従来比3割ほど低くするなどコンパクトな仕様にし、操作性を向上させた。糸の物性だけでなく生地にした際の特性も見据えての改良など、内覧会での声を反映させて本格展開につなげる。
ピン仮撚り糸は高捲縮(けんしゅく)性などの特性が改めて評価されて需要が伸びているが、古いタイプで、02年にTMTマシナリーが設立された時には主流がフリクションやニップに移っていた。ユーザーからの要望を受け、同社にとっては初めてピンタイプの本格的な開発に取り組んでいると言える。