地域の魅力伝える場に/鷲羽山レストハウス/観光施設がリニューアル
2025年05月30日 (金曜日)
瀬戸内海を一望できる観光施設、鷲羽山レストハウス(岡山県倉敷市)がこのほどリニューアルした。倉敷市所有の同施設を新しく運営するのは、地元の児島地域に拠点を置く洗い加工場やデニム製品メーカーなどで構成する共同企業体のMIKOSI(ミコシ)。地域の魅力を伝えるとともに、観光客や地元の人たちが心地よく過ごせる拠点に育てる。
ミコシは洗い加工のフーヴァル、地域活性化事業を行うFurious(フューリアス)、デニムブランド展開や宿泊施設を運営するITONAMI(イトナミ)、自動車レンタルの平成レンタカー、コンピューターソフトウエアの企画・開発を行うスマート・ラムズ、JR西日本の6社からなる。ミコシが同施設の指定管理業者となり、4月26日から営業している。
1988年築の4階建ての建物で、延べ床面積は2182・87平方メートル。2~4階部分がショップや食堂などを備えたメインスペースとなる。
4階は売店&展示エリアで、フーヴァルが展開するジーンズブランド「ブルーサクラ」といったデニム製品、畳縁製造卸の髙田織物による畳縁製品、履物製造卸の丸五のシューズ、児島ジーンズストリートで取り扱う小物類といった地元の繊維製品を販売する。産地の特徴などを紹介したパネルも設置し、“繊維のまち児島”をPRする。このほか、食品など瀬戸内エリアの特産品や土産物もそろえる。
3階は「ローカル食堂」として、さわらの塩たたきやデミカツといったご当地グルメを提供する食堂を備える。2階には児島地域にある書店「aru」(アル)の2号店が入店。300タイトルの本をそろえており、今後も徐々に扱う本の数を増やす。休憩室や会議室などもあり、イベントや歓送迎会など、数十人規模の団体利用にも対応する。
営業時間は午前9時~午後5時半で、食堂は午前11時~午後5時。水曜が定休日となる。
発起人であるフューリアスの猪野遼介社長(フーヴァル取締役)は「2年間の契約だが、これで終わるつもりはない。2年を準備期間と捉え、魅力的な施設にしていきたい」と抱負を語った。
28日にはレセプションが開かれ、関係者など160人が参加した。フーヴァルの石橋秀次社長が冒頭で「イベントなども開きながら、子供たちに思い出を作ってあげたい」とあいさつ。倉敷市の伊東香織市長は「ここをいかに活性化していくかということで、ミコシの皆さんがお引き受けいただき、心から感謝している」と述べた。乾杯のあいさつに立った児島商工会議所の尾﨑茂会頭(菅公学生服社長)は「自信を持っておすすめできる場所が児島に一つ増えたことは喜ばしいこと」と話した。