生地輸出連載 悲願達成に向けて③/スタイレム瀧定大阪 事業本部第一事業部テキスタイル3部 部長 米沢剛氏
2025年06月02日 (月曜日)
拠点設置で距離感縮める
――生地輸出事業の現状は。
私が受け持っているのは欧米向けです。2025年1月期の同地域向け生地販売は、外・外の為替の恩恵も含めて前期比で10%増収でした。英国向けとイタリア向けが苦戦しましたが、北米向け、フランス向け、ベルギー向けなどが10%以上伸ばせました。苦戦したイタリア向けですが、生地の一大産地であるプラトー全体の受注量が4割減という中では比較的健闘できました。
――日本からの輸出だけでなく各拠点間の外・外ビジネスでも拡大を狙っています。
まだまだ少ないですが、着実に伸びており今後も拡大を狙います。例えば、インド法人で取り組む有機栽培綿の農家支援プロジェクト「オーガニックフィールド」の有機栽培綿糸をプラトーで織り・加工し、欧州ブランドに販売するなどです。
――欧州にショールームも開設しました。
23年9月にパリ、24年9月にミラノにそれぞれショールームを設けました。フランス向けが伸びたのはこの効果もあります。「プルミエール・ヴィジョン」や「ミラノ・ウニカ」など各種国際生地展に出展すると同時に、拡大に向けては拠点の設置が必須だと考えていますし、今後も増やしていく計画です。ショールームでは個展を開き、現地ブランドとじっくり商談します。同時に、訪問営業の頻度も高めていきます。
――中国向けも拡大が続いています。
確かにそうですが、中国頼みになるのはリスクが高い。だからこそ、欧米をもっと伸ばしていく必要があるわけで、それがわれわれのミッションです。
――改めて、生地輸出に向けての強みとは。
一つは海外に17の拠点を持つ海外ネットワークです。その多くに日本人スタッフを派遣し、現地スタッフと連携しながら開拓を進めています。拠点があることによって、現地ブランドとの距離感がぐっと縮まります。トラブルが発生した際のフォローのスピード感も圧倒的ですしね。
もう一つはやはり、各服地の課が展開する多様な生地企画とそれを備蓄する機能です。信頼できる国内外の仕入れ先との連携を背景に、当社が長年培ってきた目利きの力が海外販路開拓にも生きています。「利は川上にあり」との考えに基づき、欧米ブランドが求めてくる各種認証の取得や納期短縮を、仕入れ先と一体で進めていきたいと考えています。
(毎週月、火曜日に掲載)





