ごえんぼう
2025年06月03日 (火曜日)
「法(ほぉー)」。その声が聞こえてくると母や祖母が小銭をくれた。小遣いではなく、托鉢の僧侶に渡すお布施。鉢に金を入れると何か良いことをした気になった▼昭和の街はいろいろな音であふれていた。托鉢に歩く僧侶の声は今でも地域によっては聞くことができるが、聞く機会が減った音もある。豆腐店が戸外で売り歩く際に使用していたラッパの音もその一つなのかもしれない▼豆腐の移動販売は日常の風景だった。「とーふー」というラッパの音がすると鍋を手に外へ出て購入していた。移動販売がない時には近所の店までお使いに行き、持参した鍋やボウルに豆腐を入れてもらっていた記憶がある▼今から思えばエコだが、物がなかっただけとも言える。鍋を持参すればテークアウトできるラーメン店の話を聞き、昔のことを思い出した。昭和のようにはいかないが、時代に合った環境対策はあるはず。いろいろ試したい。