だからこの仕事が好き⑩/菅公学生服 営業本部企画推進部スポーツ企画推進課 石川夢佳さん
2025年06月06日 (金曜日)
企画商品はわが子のように
「企画した体育着は自分の子供のように思っているくらい好きです」と話す石川夢佳さん(30)。現在、菅公学生服で体育着の商品企画を手掛けている。
小学生の頃からデザイナーになりたいという夢があり、アパレルについて学べる大学に進学した。菅公学生服のことを知ったのは就職活動時に足を運んだ合同説明会だ。それまで同社については「全く知らなかった」と言うが、人事担当の人柄の良さと、入学までに必ず制服を間に合わせる使命を持っているという熱い話を聞いて感動。これが入社するきっかけとなった。
企画に携わりたい気持ちがあり、面接では「その思いを強く伝えた」。熱意が伝わったのか、入社後は体育着の開発を担う部署に配属となった。
入社半年後に初めて体育着の商品企画に携わることになる。展示会で提案の一環として見せる商品で、初めてコンセプトからデザインまでを考えた。企画したのは、気候やその時の気分によってアイテムを選べるような自由度の高い体育着。「当時はめちゃくちゃかわいいと思っていたが、今見たら恥ずかしい」と笑う。
現在は、ライセンスブランドの「リーボック」と、水面下で動いている新ブランドの体育着の企画に携わる。コンセプトを考えてデザイン要素を集め、デザイナーと打ち合わせながら商品を作っていく仕事だ。生地メーカーと生地の開発をすることもあるほか、販促の部分までも担うなど業務は幅広い。
頭で描いていたものが形になり、営業担当から「これを提案したい」などと言われたときや、子供たちが着ているところを見たときにやりがいを感じる。
「思い入れが強くて、いまだに好きな商品」が、リーボック担当になった初年度に企画したアイテムだ。スタンド襟のない、陸上競技で着用されるようなトラックジャケットタイプで、体育着としては業界で初めてエンボス加工を取り入れた。まだ経験が浅いながらも、「細部にまでこだわり抜いた自信作」と言い、私学などを中心に人気商品へ育った。
実は高校時代の制服や体育着が菅公学生服のものだった。しかも体育着はリーボックだ。しかし、当時は同社が供給しているのを知らなかった。「青春の思い出にはあるのに、もったいない。菅公の名前をもっと知ってほしい」と強く思う。
自身の展望について、「子供たちが学校生活を思い返したときに、菅公は良い会社だったなと思ってもらえるような何かがしたい」と話す。SNSが発達し、他人との比較などで生きづらさを感じる子供もいる中、制服や体育着だけでなく、人づくりやイベントなどを通して「子供たちの学校生活が楽しく、気持ちが楽になるようなことを実現できるようにしたい」と大きな夢を描く。
(毎週金曜日に掲載)