ごえんぼう
2025年06月10日 (火曜日)
本棚を整理していると古い小説が出てきた。懐かしさを覚え、読み始めたのだが、少し違和感を持った。どこか文体が古く、テンポも悪いような気がした▼小説とは違って新聞記事には型のようなものが幾つかある。一つが逆三角形だ。重要な事項を第1段落、いわゆるリードに書く。言い換えると結論が先に書かれている。その後に説明が加えられるため、読者へ的確に情報が伝えられる▼逆三角形は記事の書き方の基本であり、多くの指南書に記されている。筆者もそう信じてきたが、そればかりでは駄目らしい。大手通信社の記者は、自著の中で〈若い世代には逆三角形が分かりにくいようだ〉と指摘する▼当たり前だったことが当たり前でなくなることは珍しくない。物や事は絶えず変化していくのだろう。問題点や反省点は次々に見つかるが、それに気が付けば改善や創意工夫の機会になる。変化を前向きにしっかり捉えたい。